新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第三百十四話 Pのボレロ / だから行くのだ レインボーマウンテン

出立131日目(通算381日目)ペルー27日目 クスコ7日目

 

 

早朝3時に起きた私は、支度を整えて宿を出る。

前日に言っておいたからだろうか、スナックとジュースを朝食代わりに持たせてくれた。マジいい宿ww

 

言われた時間から10分ほど遅れたが、すぐに気づき、車に乗せられた。坂道を遠回りして、移動用のバンへ。わかっていたが、他の参加者を集める関係でここからが長い。眠るまではできないものの、目を閉じて待つ。何だかんだで街を出たのは1時間後くらい。おそらく、高い参加費の人ほど後回しなのだろうな。

 

ここから2時間ちょっと移動。朝食の会場へ。

ここではパンとパンケーキ(バナナon)が振る舞われる。子犬と中型犬がいて、これと戯れたり、2匹が戯れるのを見たりが主な娯楽だった。ここに大きな地図があるため、コースの説明がある。更に1時間半ほど行ってから、ハイキング開始だ。

「レインボーマウンテン」と呼ばれるスポットに、2時間半かけて行き、30分ほど見て、帰って来ると、こういうわけだ。

 

ここからは急にガタガタの舗装がイマイチの道になる。ついでに山道なので、まぁまぁグルグルだ。しかし、さほど酔う気配もなかった。

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車窓から。斜面がすでにおもしろい。アルパカが普通にいる! 

 

スタート地点には多くのバンが止まっており、飲み物や食べ物を売る山の民たち(ケチュアかな?)が多くいる。ここでステッキとメンバーを見分けるジレ?が配られ、いよいよスタートだ。

出発ゲートまではみんな一緒に、それ以降は各々のペースで。

 

f:id:haruki0091:20171111114125j:plainなお、歩くのが苦手な人にはこんな感じで馬に乗っていくこともできる。片道65、往復90ソルだったかな。コロンビア人のふくよかな女性が乗馬。帰りのバンで昼食が控えているにもかかわらずお菓子を食べている姿を見ているため、大変に思うところがあるわけだが。

 

ツアー料金にエントランスフィーは含まれているところで申し込んだが、そうでない人は払って出発だ。ケチュア語で行こう!の意味の「ハク!チームインカス!」で出発。あ、我々のチーム名インカスっていう、インカ帝国の皇帝の名前です。

 

レインボーマウンテンへの登山道は、スタート地点ですでに4700m、ゴール地点は実に5000mの超高地になる。もう現時点で富士山より高いのだ。あーあ、富士山……。

出発前には高山病に効くアロマエッセンスを全員が使い、何かあればガイドが対応できるセットを有しているとか。大変頼もしい。しかし、頼ることはできない。

 

レインボーマウンテンは、その向こうにもう一か所、スポットがあり、「レッドバレー」と呼ばれるそこは、さらに25分歩いたところにある。これにも行きたいのだが、と伝えると、

「いい感じ出歩ければ行ける。じゃあ1:45で行って、見て帰ってくるんだ」

申し込み時には「レッドバレーも行けるか」確認して、申込用紙にもその旨書いてあったが、レストランでの説明の時には行く話はなかった。つまり、行けるもんなら行ってみろ状態だったわけだ。

上等じゃねぇか!ブラックホールが、吹き荒れるぜっ!

 

さて、危惧していた高山病や呼吸が苦しいという問題は、平地では感じられなかった。アレキパ経由で高地に順応させていたことが功を奏したのだろう。道はなだらかな上り坂に時折急斜面、平地というのが織り交ざっている。

標高は高いが、日が出ていると暖かく感じられ、青空の元のハイキングは大変に気持ちがいい。軽快に歩いていると、ドンドンチームメイトがいなくなり、つまり、あとは描写がいらないな。

 

f:id:haruki0091:20171111114232j:plainレインボーマウンテンがメインながら、途中の風景も楽しい。

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ケチュアたちは行って帰ってを繰り返している様で、すれ違う度に乗るか聞いてくる。これで商売成り立ってるんだろうなぁ。

平地にはジュースや食べ物を売る姿も見られた。

 

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いよいよレインボーマウンテンにご対面だ。これは振り返った様子。平地にも地味にレインボー感が見て取れる。

 

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はい出たー!

後にガイドが説明してくれたが、かつてこの辺りは海の底にあり、そこに成分ごとに堆積した層が出来ていた。それが地殻変動で隆起して、このような形になったようだ。

この山はぶつかったプレート同士の力が均衡していたためにきれいに見えるようになったのだとか。それにしてもすごいよね。何かの虫に寄生されたカタツムリを思い出す(お前だけだ)

 

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横から。大体90度倒れて隆起したことがわかるだろう。これ最初に見つけた時は、これが観光資源になると気づいてそこから道を整備したんだろうか……とか考えてしまう。

 

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当然チームメイトはいないので、他の人に撮ってもらった写真。杖がね、暇な平地ではダイレンロッドに見立てて振り回してましたからね。小学生かよっ!でもこれのおかげで結構助かったんじゃないかしら?暇つぶしもできたし。

 

さて、ここから更に下って登るレッドバレー。レインボーマウンテンの写真の右側の方に見えている奴だ。これに向かう。

 

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途中、氷河と思しき山が。さすが5000m級だ。というか、あっちの方が標高高いんだろうなぁ……何mあるんだろう……

 

ここまで来てしまえば、たいして苦労は変わらない。あっという間に到着。入り口で5ソルを支払って入場。

 

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おお!確かに赤い!

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先程のレインボーマウンテンの説明から察すると、これは鉄とかの影響だろうな。

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緑色の部分は、近寄ってみるにコケの様だ。これのおかげで火星っぽさが半減しているわけだが、それはそれで異世界感がすごい。またはテラフォーミング始まった火星。

 

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丘の下に降りているツアー客がいたので、真似して降りてみた。これはこれでいい景色。

しかし彼らは別のコースの様で、いつの間にか姿を消していた。時間的に30分は見たし、そろそろ戻らないとな、と思ったわけだが、斜面がワカチナを思い出させる砂加減で、まさかの今回一番の難所に!自業自得!

 

レインボーマウンテンに戻ると、ガイドらを発見。スペイン語の説明の後に、英語で山の成り立ちを教えてくれた。

ちなみに、山の正式名称は「ヴィニンクンカ」といい、ボリビアの首という意味になるとか。ここもインカトレイルの一部らしい。

 

ここからは下りだ。一人で参加したデンマークガールが話しかけてくれたので、彼女と少し話す。しかし若い娘がいると、みんなこぞって彼女に話しかけるよね。まぁ、アメリカオヤジとオーストラリアボーイくらいだったか。こういうところの積極性は見習うべきなのかもしれんが。

 

しかし歩くペースがずれて行き、結局一人になってしまった……。

 

レッドバレーから戻ってガイドの元に行った際、高山病的症状はないか聞かれ、その後に

「レッドバレー行った?」

「最高だった!」

「この展望台(写真を撮った、レインボー向かいの山ね。結構地味に高さある)は?」

「登った」

「マジで?」

レインボーマウンテンに到着した時点で、出発から1時間しか経ってなかったからね。

時計見る限り、全員2時間で到着はしていたことになる。

「お前ならインカトレッキング(クスコからマチュピチュまで、3泊4日で歩くやつ)2泊3日で行けるよ!」

というお褒めの言葉をいただいたわけだが、さっきのデンマークガールの一件からも、単に誰かと歩くことが出来なくなっているだけじゃないかな、いろんな意味で。

まぁ、これまでタクシー代をケチってきたことが功を奏したわけだが、なんか、ライフが削られている!

 

しかしそう思うと、今回の南米の旅は、マチュピチュやらのインカの聖地を巡るために体を整えていった、個人的インカトレイルだったんじゃないだろうか?

おお、なんか意味がある気がしてきたぞ!

 

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帰り道は同じコースだが、ガイドがしてくれた地層の話の後だと、先程見た景色も違って見える。

運転手と一緒になり、彼と拙いスペイン語で話す。さすがは慣れているだけあって、足取りが早い。マチュピチュの話になったが、彼はワイナピチュにも上ったことがあるらしい。いいなぁ。

 

等と言っていたら遠くで雷の音が。うっすらと先の方に雨降ってそうな雲が見えた。雲自体はレインボーマウンテンに着いた辺りから出ていて、気温は一気に下がっていたが、だいぶ悪化してきた様だ。

スペイン語の説明を聞いた面々が先を行っていたこともあり、彼らのために車を開けようと、運転手はグングン進む。私は帰りは少しのんびり行こうとペースを弱めていたが、これがいけなかった。

途中から何かが体に当たりだした。これは……小さい雹?などと思っていたら勢いが増す!痛ぇ!痛ぇっす!ハットで顔を隠していたが、よく見ると濡れだしていた。なんてこった!

慌ててカッパを出して着て、顔を守るためにサングラス。持ってきて良かった!と思っていたが、手だけはどうしようもなく、凍るように冷えながら歩く。

うーむ、流石5000m。全く予想だにできない天候だ!

 

途中で休憩を挟みつつ、何とか入り口まで。この辺まで来ると、ほとんど止んでいたが、来た道を振り換えれば、そちらにはまだ雲がある。デンマークガールたちは大丈夫だろうか。

 

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山の様子。カラーがすっかり白に変わっていた。

ひょっとするとこの辺りの神様が、「レインボー?ほな一色足したるわ~」と気を利かせてくれたんじゃないかと思うんだが、いやー気性が荒いねww

 

その後、全員無事に車に戻り、出発。

途中、通りかかったアルパカや羊の群れ。ケチュアの飼っているものだろう。

 

朝食の会場まで戻る道すがら、1人吐いた(やっぱ悪路だったんだな)が無事に戻り、ここで昼食。デンマークガールを中心に、話が回る。彼女は隣に座っていたが、寿司が好きだと言い、「でもうまく作れない」と言っていた。まぁ、どうせカリフォルニアロールだろうが、どのみち米の問題だろう。

 

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一応ビュッフェスタイルということだが、選べるもの全部のせてこれ。少ないよー!高いツアーならもうちょい豊富なのかしら。

奥から、鶏肉とトウモロコシ状のペースト、謎の肉。謎の肉は豚かと思っていたが、コロンビア女性が給仕に聞いてくれたおかげでアルパカと判明。何てこった!食べようと思ってはいたが、知らない間に食べていたのはちょっともったいなかったぜ!

味は脂肪がゼラチン質で豚っぽかった。ので、豚でいいです。

やっぱりクイもそうだが、なぜ牛・豚・鶏が広く世界中に広まっているのか、よく理解できた。

 

さて、ここからまた2時間ほど車に揺られ、解散。何だかんだコミュニケーション取れて楽しかった。一緒に登ったらもっと楽しかったかもしれないが、男は一人で行くものさ!

 

宿に戻ると日本人が増えていたが、もうちょっとコミュ能力使い切ったので、話しかけてきたコリアンボーイとだけ話していた。しかしどうも彼も、日本人たちも、翌朝に電車でマチュピチュに行くらしい。時間がないからというのが主な理由のようだ。今日のデンマークガールはトレッキングすると言っていたし、意外に多様なんだな。

 

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夕飯に向かおうと思ったら広場は異様な熱気で、たくさんの人らがモニターの前に集まり、ユニフォームや帽子、応援用のたすきや観戦時の食べ物を売っていた。

店に向かう時も楽器や歌を駆使して練り歩く若者や、それに応えてクラクションを鳴らすタクシー、デコレーションまでした車が走っている。

日本代表戦の日など比べ物にならないレベルだ。

 

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最初の3.5ソルの所で食べたが、ここでやっていたテレビも試合開始まで2時間ほどあるのにずっとサッカー関係のニュースばっかり。つーか昨日からそんな感じだったぞ?どんだけだよ。

どうもワールドカップ出場がかかった試合だったらしい。

戻ったら宿の人も観戦していたので、のぞかせてもらった。

 

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そしてクスコ最後の夜、屋上で一杯。広場はいつも以上に騒がしく、今日は観光客も肩身が狭い感じだ。スキー場の宿経営の日本人の人がいて、盛り上がりっぷりに「明日早いのに眠れそうにないよー」とか言いながら、試合開始のリアクションを動画におさめて去っていった。

花火も上がってえらい騒ぎだが、これ、負けたら明日街荒れてないだろうな、とか疑いつつ、眠りについた。

 

さて、明日はとうとうペルー最後の街だ。

 

輝く自然が、我を呼ぶ!

第三百十三話 Pのボレロ / クイは残さず

 

出立128~30日目(通算378~80日目)ペルー24~6日目 マチュピチュ3日目~クスコ4~6日目

 

 

ノロノロと起き出した私だったが、宿が9時チェックアウトだと言われ、慌てて荷物をまとめて出る。流石に集合時間にはまだ早いので、町中をブラブラする。

 

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遺跡へ向かう道にモニュメント。気付かなかったなぁ。丁度塗っている所の様だ。

 

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ゴミ箱がカエルで何かかわいい。溜まったごみを捨てるときはひっくり返して口から出すので、それも何かかわいい。

 

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温泉街っぽい、線路沿いの景色。左隅に、インカの3つの神、コンドル、ピューマ、ヘビを連れた初代皇帝の姿が。

おっと、ここまで「初代皇帝」とお茶を濁してきたが、そろそろ彼の紹介をしよう。

彼の名はマンコ・カパック

ここまで言えば、なぜひた隠しにしてきたかわかるだろう。

 

名前を知ったのは大学だったか、高校だったか。そりゃあもう、何の冗談かと思ったもんだが、南米では知らぬ者はいないだろう。クスコのアルマス広場や、マチュピチュの広場では、こんこんと湧き出る泉の中央に黄金のマンコ・カパック。それだけではない。街のそこかしこにマンコ・カパックの像があり、Tシャツや商品にもマンコ・カパック

全世界の女子の皆さんはこの名前を覚えてもらい、声に出してほしい。それほど偉大な王なのだから。

これまで見てきたような広大な帝国を築いてきたのだから、やはりマンコ・カパックが生み出すものは偉大だなぁ。

 

あ、ちなみに初代から7代くらいは実在するか怪しい様です。どこも似たようなもんですな!

 

話が大分それたが、朝昼兼用でメルカドでお食事する。

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スープの後に出てきたのはこちら、「Revuelto de Vainita」。卵で炒った煮物という感じの優しい味で、大変によろしい。

 

広場に戻って時間を潰していると、T君がやって来た。集合時間の違う彼はこれから食事の様だ。前日にはアルパカの肉を食べたらしい。いいなぁ。

 

さて、名残惜しいが、流石に足の疲れもあるので、集合時間の3時間前に歩きはじめよう!

 

この日は快晴で、昨日晴れろよ、という気分最高の状況のため、ハイキングにはもってこい。旅路については詳しくは書かない。

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いい感じの景色だ。この奥の山に注目。

 

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ハイ拡大。おそらくこの尾根の辺りがマチュピチュ。こんだけ開けた状況でも判然としないのだから、見つからないのも納得。むしろハイラムさんマジスゲー。

 

意外にも平地では筋肉痛の影響はなく、2時間ちょっとで着いてしまった。なんだろう。こう、体がおひとり様を受け入れて進化してきたというか、もうそれでいいでしょ、みたいな適応が進んだ状態―身勝手の極意の兆しが……ああ!そうか!これがインカの目覚めか!

 

予定時間まで1時間あるので、フルーツ齧ったり写真整理して時間潰す。ぽつぽつ人が集まり始め、結局15:15過ぎに出発。2時間近く待っちまったぜ……。

 

さて、来た道を戻っていくわけだが、最初のうちは景観が望めるが、日が暮れると街灯なんてものはないため、完全な暗闇。眠ったり音楽を聞いたりで時を過ごす。

20時台に着くようなことを聞いていたが、結局22時前に広場で解散。まぁ行きの時間考えればさもありなんだよな。なんで帰り2時間も短い予定だったんだよ。

 

ほとんどの人がこの時間にマチュピチュから帰るからだろうか。多くの飲食店が普通に営業していたが、私はポップコーンとビールを買って宿に戻った。

地獄の坂道を息を切らして登り、ベッドに腰掛けると、大きなため息が出る。大きな目的が一つ、終わったのだ。その名残を、夜景を眺める屋上での晩酌で惜しむのだった。

 

翌日。さすがに筋肉痛があるため、2日程休息に当てることにし、クスコから出るもう一つの面白そうなツアーの、良さげな会社を探して回る。

途中、お昼ご飯にしようと歩いていたら、衝撃の価格が目に留まる。3.5ソルだ!?

見間違いだと思ったが、店のオヤジの呼び込みで、入る。暗い店内に地元民が大量だ。これは挑むしかない。

 

f:id:haruki0091:20171111112142j:plainスープは多少少ないかもしれないが、きちんと具が入っていて、メインはこのポジョ・ドラード。うむ。味も特に問題ないし、後々腹も下らなかった。メルカドより安いが、メルカドより満足できるじゃないか!やるじゃん!

 

場所は以前の5ソルの店と同じ、おいしいパン屋さんのあるChoquechaca通りだぞ!

 

さて、民芸品市場に再び出掛けてほしいものを探したが、疲れてきたので一旦寝かし、目を付けていたカフェへ。

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「Atiq Cafe」はAvenida el Solを民芸品市場の手前まで下ったところにある、ホテル併設のレストランだが、ここのケーキセットが10ソルだというのだ。

 

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こちらがそれ。パッションフルーツチーズケーキとアメリカン。パッションフルーツの酸味と生クリームの甘さがレアチーズケーキの生地とベストマッチ!はっきり言ってめっちゃうまい。以前のアルマス広場横の所より、明らかにクオリティが高い。セントロから離れているから人も少ないし!

いやー、素晴らしかった。

 

宿に戻ってT君らと話して時間を潰し、夕飯は彼とちょっといいものを食べに、いいレストランに向かう。

 

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ガーリックトーストのつきだし。ソース2種(ガーリックと辛いヤツ)つきで、この時点でうまい。他の店より安いけど大丈夫か?と思っていたが、これは期待できそうだ。

 

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食前酒ということで「ピスコサワー」が。

ピスコはペルーを代表する蒸留酒で、これにレモンや卵白、砂糖だかシロップなどを加えて作ったカクテルがこちらだ。カルピスの様なすっきりとした味わいと、メレンゲの様な泡が心地よい。

 

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そしてキヌアのスープ。これは比較的ベーシックだが、丁寧な作り。T君はサラダにしたが、結構なボリュームの様だ。

 

そして、ついにメインの登場だ。

 

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はい、出ました、クイ!

日本名テンジクネズミ。モルモットの原種と言われ、ペルーでは貴重なたんぱく源として、昔から親しまれてきたものだ。

思い返せば、コロンビアの頃から見かけていたこれを、ついに食す時が来たのだ。

「Cuy al Hoy」だったか。要は窯で丸焼きにするわけだ。もとの可愛さとこの見た目のグロさで、よく考えると引いてしまうのだが、そこはよく考えないようにしてナイフを入れる。肉がww伸びるww

 

味はチキンを油っぽくした感じで、そこに加えて獣臭さもある。こちらでは「ハレの日」に」食べるごちそうというポジション。まぁ鰻みたいなもんだな。最初は微妙な反応だったT君も「慣れればおいしいですね」とコメント。

うむ、時折目に入る顔の辺で一瞬ハッとするが、それを除けば充分にうまい。まぁ、1回食えば、鶏肉でいいかな。

 

あとはフルーツサラダと飲み物が付き、35ソル。他だと60ソルと言われているクイだが、正直半身でいい。

お高い食事は一人ではなかなか手が出ないので、大変に満足だ。

一応食べ終わりも撮ってみた。

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うん、脊椎動物だねww

 

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帰りにスーパーにより、ピスコを購入。今日はT君と二人で晩酌だ。話が弾み、少し飲み過ぎてしまった……。

 

翌日、朝食後にT君が、バックパックの奥に入れていたサブ財布からお金が抜き取られていることに気付く。

昨日、ドミには日本人3人の他、イスラエル人と自称ポーランド人が一瞬いた。この自称ポーランド人(もうこの時点で意味不明だが、英語が通じているのか全く分からなかった)が挙動言動全て怪しい奴だったので、こいつではないか、という結論に。

こいつは昼間いたが、結局夜にはいなくなっていた。おそらく誰もいない時間に物色していったのだろう、と。

他人事ながら一気にテンションが下がった。もちろん、今も用心はしているが、こういう事態がドミトリーは起きやすいのだ。今後向かうボリビアは更にその辺の事情が悪いという。身が引き締まる思いがした。

 

そんなT君と昨日の店の隣にある、これまた3.5ソルの食堂に。

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スープが出て、メインはこちら、マタスキータ。これまたすごい名前だが、辛くないカレーみたいな感じ。マンコ・カパックのお膝元でマタスキータ。

 

店のお母さんに「夜も来なさい」と言われたので、夜もやっていることが分かった。

T君と別れた私はようやく民芸品売り場で戦利品を入手した。

 

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途中で見かけた壁画。なかなかに味のある作品だ。クスコは教会も多いが、インカ周りのアートも多い気がする。

昨日のカフェはやっていなかったので宿に戻り、夕食の時間にT君と再び向かう。

 

今まで足を延ばさなかったが、この通り、夜もほとんどの店がやっている!つまり3.5~5ソルで食えるのだ!くーっ、いいね!

 

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チュレータなので、豚肉焼いたもの。昼とはメニューが変わるのもうれしい。

 赤いのはビーツか?ちょい甘。

 

さて、今日ボリビアへ向けて旅立つT君を、一杯やって送り出した。

タクシーを呼んだが、待てど暮らせど来なくて焦ったが、戻ってこないところを見ると、無事だったのだろう。

 

私も明日は早朝からのツアーだ。3時半集合なので、マジで早朝。どうなる第314話!?

 

古代の夢が、我を呼ぶ!

第三百十二話 Pのボレロ / 空に読む物語

出立127日目(通算377日目)ペルー23日目 マチュピチュ2日目

 

 

早朝4時半ごろからドミの部屋はガサゴソ。

そう、マチュピチュの午前のチケットは6時~12時。それならばと朝日に合わせて出発する人が多いわけだ。もちろん私もその口だったが、欧米人カップルの方が早かった。彼らも、歩いて登るという。

 

ということで、マチュピチュ最後の関門は、マチュピチュ村からマチュピチュ遺跡までの移動である。もちろん、バスもある。しかし、僅かな距離にもかかわらず、片道12ドル(ソルじゃないよ!)という、空中都市のくせに足元見た価格になっているのだ。ちなみに、山頂まで400mの山登りコースが無料となっており、お好きにどうぞーということなのだ。舐めやがって!

そういうわけで、私も5時過ぎに宿を出て、山頂を目指す。

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既に空は白み始めているので、思ったほど暗くない。しかし雲に覆われている。朝日は厳しいか?

 

とか言いながらも足取りは軽い。何といっても、あのマチュピチュだ。言ってしまえば、今回の旅のメイン。心なしか歩調が速くなっていくのも、当然だ!

 

こんな時間にもかかわらず、既に歩いている人間は多い。何だ、皆同じか!

ちなみに、既にバスも動いているようで、何台か通り過ぎていく。負けねぇぜ!

 

道は石の階段が整備され、所々バスの道に出る形。つまり曲がりくねる車道を突っ切る形で階段が敷かれているのだ。傾斜もお察しだぞ!

しかし、不屈の闘志がある限り、私は負けない。昨日の道よろしく、ぐんぐん追い抜いていく!理由は言うまでもないね!

アレだな、ペースが違えば抜き去る気満々だけど、いざ道譲られると、直後に休んだら「何だよアイツ、抜いといてもう休むのかよ」みたいに思われそうになって、余計に進まざるを得なくなるよね。

そんなこんなで1時間ほどで無事山頂に到着。ヘッ、楽するための金を俺から巻き上げようなんざ、2万年早いぜ!

 

他人様のブログで、「山道から村まで2km離れていることもあり、降りるのに1時間半かかりましたー」とか登るのに2時間くらいとか、そういうの見た気がするんだが、アレか、またリア充タイムか。確かに、途中で同じ宿のカップルは追い抜いたけどさ、俺だって女の子と励まし合いながら登りてぇよ、ふざけんな!

 

まぁ、いいです。奇跡的にオープンとほぼ同時に入れたんで。

 

既に長蛇の列で、バス組がガンガン到着している。チケットとパスポートを見せて、いよいよIN!

例の、お馴染みのアングルは見張り小屋からのため、まずはそこを目指す。

っておい、また登り階段ですかっ!?まぁ、そうですよね、仕方ないですよね!

 

こうして辿り着いた私の目の前に広がった光景がこちらだ!

 

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何も見えねぇえええええええええっ!!!!!

 

さすが空中都市。雲に隠れてやがる。あれか、竜の巣を抜けないとダメなのか?

おまけに雨まで降り出す始末!カッパ持ってるけどね、思いの外強い雨で、ズボンと靴ぐしょぐしょ。うう、せっかく頑張って登ったのに、なんか泣きたくなってきた……

 

きっと僕が、女の子と登りたいみたいな、邪な、不純なこと言ってたから、インカの神々が怒ったんだ……などと全く根も葉もないネガティブなことを考え出したので、雨がおさまるまで、マチュピチュについておさらいしておこう。

 

マチュピチュは1450年ごろ、第9代皇帝パチャクティの時代に造られたと言われている。

15世紀前半、インカ帝国はスペインに征服され、都市は悉く破壊された。クスコを逃れたインカ軍はジャングル奥地に秘密基地「ビルカバンバ」を造って抵抗したが、やがて反乱持鎮圧。しかし、最後までビルカバンバが見つかることはなかった。

 

1911年、「ビルカバンバ」を探した米国歴史学者の「ハイラム・ビンガム」が偶然にもこの都市を発見(先ほど登ってきた山道は、これに肖って「ハイラム・ビンガム・ロード」と呼ばれている。場所違うらしいけど)。マチュピチュは400年の眠りから覚めることになった。

ただ、後の研究からこれはビルカバンバではないことがわかったのだが、いずれにせよ、2400mの高地にあったことでスペイン軍に見つからず、結果的にほぼ無傷の状態で見つかったために考古学価値は高く、今では世界最大の観光地とも言われる存在になったのだ。

 

そうこうしている内に、神も不憫に思ったのだろう。雨は止み、雲が徐々に除かれて、その全容が見えてきた。

 

f:id:haruki0091:20171109080838j:plainちょっとワイナピチュ(背後の山)が見えないけど、まぁいいか!

マチュピチュ遺跡は標高2940mのマチュピチュ山(ケチュア語で、「老いた峰」の意味)と2690mのワイナピチュ山(「若い峰」の意味)を結ぶ尾根にまたがる、標高2400mに存在する。周りを切り立った崖と尖った山に囲まれ、足元は密林が広がるため、上空からしか廃を見ることができないために、空中都市の異名を持っているのだ。

 

ここでジーッとしていても晴れそうにないので、取りあえず遺跡に降りてみよう。

 

さて、ここに来るまでのマチュピチュの印象といえば、この見張り小屋から見る景色だけだったが、都市がそのまま残っているのだから、これを見ていくことこそ、この観光の真の目的。

それを忘れれば、「いい」自撮りのために立ち入り禁止区域に入った挙句、注意されても少しだからとどかないクソコリアンみたいになってしまう。今回の旅で会ったのがいいコリアンばっかだったので、ああいう行為が自国の品位を下げるということを、彼らにはよく理解してもらいたい。

 

おっと、怒りのあまり筆が滑ったが、早速都市に降りて行こう。

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見張り小屋から傾斜を降りていくと、都市の入り口が見えてくる。ここはマチュピチュの正門で、インカ式の定番だとか。内側から見ると、上に丸いでっぱり、横にも溝が見られる。ここに木の扉があったとされているとか。

 

f:id:haruki0091:20171110003738j:plainここを入ると、市街地だ。住宅なのか何なのか。おそらく屋根は茅葺きみたいなものだったのだろう。今はないが、三角形の外壁が残っているのが、そのことを想像させる。

 

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下に見えるのが太陽の神殿。遺跡は結構入り組んでおり、意外と一方通行も多いため、うっかりすると見られないものもある。7年前の地球の歩き方の模範ルート通りに動いたら、太陽の神殿は見られなかったので、注意。

 

まぁ、もう1回は再入場できるので、その時の写真も使って説明していこう。

 

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太陽の神殿は天然石の上に石を積んで作られたものだが、曲線を描く見事な技術力が何と言っても魅力だろう。素材もピンクがかった色で、他とは明らかに違う。

東向きの2つの窓は、お馴染みの冬至夏至にそれぞれ太陽光が入る仕組みになっており、用途の分からないものが多いマチュピチュの中にあって、確実なことが言える数少ない施設だ。

 

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この下が陵墓とされ、皇族のミイラが安置されていたのでは、と推測されている。

皇帝が神の子とされるインカ帝国においては、そのミイラもまた、黄金同様に価値があったようで、帝国崩壊後に抵抗を続けた最後の皇帝トゥパク・アマルは、スペイン軍に捕らえられた際に黄金像と共に、皇帝のミイラも所持していたという。

 

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太陽の神殿の横には2階建ての王女の宮殿がある。これも定かではないようだが、精巧な造りから、高貴な人物が暮らしていたのだろう、とされている。インカ帝国も日本の将軍家よろしく、何人かの側室を囲っていたようで、王女とは正妻を指すとか。

 

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太陽の神殿の横には、水汲み場もある。遺跡全体に張り巡らされた用水路の一部だ。

これ自体はプレ・インカのものと言われているが、これを網の目の様に張り巡らせたようだ。

この灌漑用水路の整備拡大と水の管理が、インカを大帝国に押し上げたのだ。

ほかにも、サイ・フォンの原理を知っていた様で、技術の高さをうかがわせる。今も水が流れているが、ずっとなのか観光用なのかは不明。

 

水汲み場を挟んで太陽の神殿の反対側にあるのが、王の別荘だ。

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皇帝パチャクティがクスコの寒さを逃れに来たのでは、という推測がある。

地面にある石臼の様なものは、天体観測に用いたのでは、とされている。ここには個室トイレらしきものもあったようだ。

 

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階段を戻って右に進むと、石切り場が。マチュピチュの建設は基本的に地のものを利用していた様だ。

更に進むと広い空間に出る。「La Plaza Sagada」、神聖な広場だ。

 

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ここにはいくつかの施設があり、こちらの3つの窓の神殿が有名だ。

インカ発祥に纏わる伝説の1つに、タンプ・トッコという3つの穴から8人の兄弟姉妹が湧きだし、そのうち1人が初代皇帝であり、クスコでインカ帝国を開いた、というものだ。

この3つの窓の神殿こそ、タンプ・トッコではないか、というわけだ。

 

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北側には主神殿。この辺でTくんと再会し、「インカの建物なのに、珍しく崩れてますねぇ」と指摘して去っていった。た、確かに。鋭い事を言う!

南側には神官の館と呼ばれるものがあるが、これも本当のところはわからない。

 

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ここから更に奥に進むと、インティワタナ(日時計)が。マチュピチュ内の最高点だ。

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これが日時計。高さ1.8m、角柱の高さは36cm。角柱の各角が東西南北を指しているというので確認してみたが、どうも本当らしい。ただ、これも確証はないとか。これまでも記述してきたが、インカは太陽暦を採用していたため、遺跡内で最も見晴らしのいいところにあったとしても不思議ではないのだ。

 

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この近くからは崖下が見られる。どうもハイラム・ビンガムさんはこの辺を登って来たらしい。なんか山道シンドかったみたいに思ってましたけど、こっちの方がツラいっすね、さーせん。

 

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遺跡の真ん中のメインの広場にはリャマが。飼われている様で、みんな(特に女子)は一緒に自撮りしようと頑張っている。私ですか?いいです、なんか、威嚇用の唾飛ばされたらいやなんで。

 

ここから後半戦になるが、雨がまたぱらつく。さみーよ。さすが山の上。

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これは聖なる岩。なにがどう聖なる感じなのか、地球の歩き方も教えてくれません。

 

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居住区に入っていく。これは反対側からの写真。

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ここら辺が貴族用で、

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技術者用で、この後に庶民用が続く。。

 

地球の歩き方曰く、段々石積みが雑になっていっているとのことだが、そうかなーそういわれればそうかなーくらい。並べて見られるわけじゃないしね。

 

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そして技術者の居住区辺りにあるのがこの『天体観測の石』。そうです、王の別荘にも会ったやつですね。水を張って、月や星の軌道を観測したのではないか、と言われているとか。ね?「いわれている」ばっかでしょ?

 

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この辺りから見上げてみる。左上が最初にいた見張り小屋で、中央ちょっと左上くらいに太陽の神殿。こうして見ると、都市って感じが強まるね。

 

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コンドルの神殿。中央の天然の岩が、羽を広げた鳥のように見えることからそう呼ばれている。インカでは「コンドル」、「ピューマ」、「ヘビ」が象徴的な動物(神)なので、コンドルなんだね。地上と空を結ぶ神=コンドルの形状から、太陽神に捧げものをしたのでは、という説から、こういわれている。

でも、とか言いながら神殿かどうかも定かじゃなく、半地下だから牢獄じゃね?みたいな説もあるとか。まぁ、都市だからね、あっても不思議じゃない。

 

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こちらは貯蔵庫。食料とかですね。山岳地ということで、段々畑で作物を作っていた様だ。

当時300~1000人の人間が生活していたため、そのための作物が造られていた様だ。

ただ、用途はそれだけでなく、場所によって神への捧げものを行う場所であったり、山崩れを防ぐ目的だったりした様だ。

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この辺で振り返るとこんな感じ。立体的な構造が見て取れる。右下の崩れてる辺が庶民の住居か。まぁ、確かに、雑だったんだろうなぁ……

 

さて、これで1周したわけだが、前述の通り、1度だけ再入場できるので、もうちょっといい写真を……ということで入ったわけだ。

 

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ワイナピチュも見えていい感じ!まさに空中都市だ!

都市は左側手前から入って右に抜けていったわけだが、よく見るとこれまで掲載してきた写真の施設が確認できる。こうやって見ると、改めて街なんだなーということや、この「画」だけじゃないということがわかっていただけるだろう。

 

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日本人女子2人がいたので、撮ってもらったぞ!すげーリア充感だ!インスタ女子に絶対勝てるぜ!

よく見ると膝が破れているズボン。耐久限界が来ていたわけだが、ドンドン穴が広がって、右なんか膝からミサイルでも撃ったのかって感じに仕上がっていた。Fight for Justise!

 

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「明日マチュピチュ行くけど、何かしとくことある?」と友人に聞いたら「生贄になって来い」というので、やってみた。

雨が先程まで降っていって、ぬかるんでいたので、「えっ?本当にやるんですか?」みたいな雰囲気で、カメラのアングルにもその困惑っぷりが見て取れる。周りの欧米人も呆れていたぞ!

 

ここから「太陽の門」なるものが見られるというので、軽い気持ちで出発したら片道1km以上のハードな山道だったでござる。足がね、またやばいね。

 

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こんな感じで、取り立ててどうということはない。が、振り返ってみると

 

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真ん中あたりにマチュピチュが!

前述の通り、マチュピチュは2つの山の尾根に存在しているのだが、それがよくわかるだろう。左がマチュピチュ山、右がワイナピチュ山だ。改めてすごい遺跡だと分かる。

 

ここで皆パンとかフルーツ食べているので、倣って軽いお昼ご飯だ。マチュピチュ見ながら食べるなんてすごいな。まぁ、ペルー人は遺跡入る前の見張り小屋近辺でも食ってましたけどね。

 

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太陽の門から戻ると、完全に晴れたマチュピチュが!ああ、これは見たことあるヤツだわ!

どうですか、三者三様のマチュピチュ。個人的には雲がかかってる方が空中感あって好きです。

 

しかし振り返ってみると、完全雲の中~晴れた情景すべて見れたってことは、普通に晴れたのだけ見た人より運がいいのでは?寧ろツイてたのでは?

よっしゃラッキー!!

 

帰りに出口にあるスタンプをパスポートに押して、マチュピチュツアーは終了だ。押したおばちゃん雑過ぎてかすれているが、まぁそれも思い出よね!

結果的に7時間もいたので、もうマチュピチュはイイかな、という気分になった。

 

今までは単なる「画」に過ぎない、世界のどこかにあるらしいものだったものが、近づいていく度に自分の世界と繋がっていくー。当たり前だが、これまで行ったところだってそうだったのだ。しかし今回、この何なら世界一浮世離れしたこの空中都市と私が生まれた島国の片隅の都市が、海は隔てているが地続きだと実感できた。

マチュピチュだって、日常の延長にあるものなのだ。うまく言えていないかもしれないが、なんだかすごいことに気付いた気分だ(すげーバカっぽい文章だな

……)。

 

再び山道を、今度は下っていく。どうなったかは細かく言いませんけど、1時間くらいで下山。さすがに足がガタガタだ。

 

メルカドで食事。

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貝と卵のスープ。これは初めてだったがうまい。……ん?貝だと?

 

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こちらは「Mondonghito itariano」。牛の臓物を野菜と煮込んだ一品で、結構さっぱりしている。ペルー終盤に来て未知の安い飯に出会うとは意外だった。

 

腹も満ちたので、旅の疲れを癒すために温泉へ。

マチュピチュ村は旧名を「Aguas Calientes」つまり「暖かい水=温泉」といい、これが湧き出ているわけだ。

村から15分ほど歩いていくわけだが、微妙な傾斜の付いた道が地味にキツイ。T君とここでもすれ違った。タオルが茶色くなった、と言っていたので、これまでの南米温泉と同じような感じだろう。

 

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ビジュアルこんな感じで20ソル。

渓谷にあるのが風情を感じさせるが、エントランスからこれまた地味に距離があり、ダメージが蓄積する。貴重品も厳重に管理されるので、ホテルのセキュリティが心もとない私も安心だ。基本的にみんなぬるいが、36℃のところに浸かる。ここにペルー人の青年やメキシカン女性などがいて、彼らと英語とスペイン語交じりに話す。

カナダ人カップルたちが追う翳風の楽しみ方でいちゃつく中、ペルー人と私はどこに入るか迷っているコリアンガールに「こっち来―い。温かいぞー」と念を送っていた。格差社会

 

2時間近く経ち、出ようと思ったけど寒すぎて、よく見たらもう少し温度の高い所を見つけて浸かる。ここではペルー人家族とハワイの女性と話す。さすがはテルマエ。心の距離を縮めてくれるのだな。

 

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温泉から出たところにあったモニュメント。件の初代皇帝とマチュピチュだろう。川沿いでこういうのがあると、本当に温泉街感が増す。

 

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3時間くらいしか空いてないが、再びメルカドで、今度はビステックフリット。牛肉を揚げたものだ。まぁうまいね。

 

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最後にここで飲まなきゃどこで飲むんだ、ってことでCusquena。クスコより1ソル高いくらい。疲れた体に染みますなぁ……。

 

さて、一仕事終えた気になっていたが、明日は復路。まだ気が抜けないぜ……

 

古代の夢が、我を呼ぶ!

第三百十一話 Pのボレロ / Stand by me、マジでマジで。

出立126日目(通算376日目)ペルー22日目 クスコ3日目~マチュピチュ1日目

 

 

7:15に旅行会社の前ということで、バタバタと荷物をまとめてホテルに預け、必要な荷物を持ってアルマス広場へ。

申し込んだ会社が違うので、また後程、ということで別れた。

15人乗りくらいのバンタイプで、席が空いているためか、出発後に地元民を拾っていた。いいのか、それで。

 

僅か1時間半で休憩になり、運転手は飯を食い始めた。「30分後に」ということだが、それを過ぎてもダラダラだべっている。てめぇ……

 

前述のレストランの他、売店もあるが、足元見た価格。トイレも1ソルと町中の倍はする。しかし、今回はパンとバナナを買ってあるので、これを適度に摂取していくスタイルだ。

 

さて、ここで時間を食ったことで印象の悪い運転手だったが、その後の運転も急ぐ様子はない。が、これは結果的に良かったように思う。休憩後から入った山道はグネグネと曲がりくねり、おそらく普通に行けば酔う。

この運転手、滑らかなコーナリングに加えて急加速・急減速をしない安定のドライビングで、同業者に抜かれようともマイペース。それでも14時~15時と言われていた中、14時半過ぎには着いたのだから、運行技術はなかなかのものだっただろう。

他の車は途中で停車して、吐いている人間の姿も見受けたわけだが、到着後のことを考えると、万全の体調で送り届けることが最善だ。

 

ということですっかり評価の上がった運転手であるが、休憩はあと2回あり、トイレ休憩1回とゴール手前11kmでの食事休憩だ。食事休憩中は車内清掃をしていて、どうもレストラン経営は家族の様に思える。

 

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山道は雰囲気が良くて、景色を見ていても飽きない。

 

さて、話が逸れたが、こうして到着したのが水力発電所。ここから約10km歩いていくことになる。

 

さて、その前にマチュピチュ遺跡へのアクセスをざっくり説明しよう。

マチュピチュ遺跡はクスコからマチュピチュ村まで向かい、そこから坂を登って辿り着くことになるのだが、その行程には純然たる貧富の差が出る。

 

クスコ~マチュピチュ村はインカトレイルという電車が出ていて、これがブルジョア。ランクも3つに分かれているが、最低ランクでも数万円とかだったと思う。

 

これが無理な人が、今回私が取った、バス+歩きになるわけで、これならばバス代往復60ソルで、あとは勇気で補え!という勇者向けのもの。こちらは10kmの歩きをどう乗り切るかがキーとなるわけだが、っていうか10kmとか別に普段の街歩きでもやっとるわ、って感じなので、これに。

 

線路上と脇を進むために、通称「スタンド・バイ・ミー・コース」と呼ばれているのだ。

かくいう私もあの映画は好きなので、それこそミニバン到着直前に「Stand by me」を聞いてテンションを上げ(その後Surplise-Driveも聞いたのでもうマックス),

いざしゅっぱーつ進行!

 

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こんな感じで線路上を進む!

軽快に歩きだした私の前には、先に到着して歩き始めた旅人たちがいるが、これをグングン抜いていく。別に「誰の背中も追いかけねぇ!」とかってわけじゃなく、歩くペースは人それぞれだからね。

っていうか、皆仲間と話しながら歩いてたりするけど、私は一人ですから。「カサ・デラ・インカで仲間を募って行きましたー!」みたいなブログ読んでましたけどね、あそこで出会ったやつら皆一匹狼でした。

 

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例のアレを彷彿とさせる鉄橋。まぁ、サイズも違うけどね、ここで電車来たら喚いてチキンレースごっことか思ってたけど、前述の通り止めてくれる人誰もいないので、そういう妄想はイイです。

ちなみにガンガン記念撮影する女子たちがいたわけですが、ここではSNSに載せても炎上しないので、国内ではなくマチュピチュでやるのがおすすめ。

 

マチュピチュはクスコより標高が低いこともあり、聳える山は半端なくデカい&断崖になっているので迫力がすごいのだ。f:id:haruki0091:20171109075822j:plain

お高いインカトレイルも通過!おいしいものが食べられたりするらしいぞ!うらやましいね!ってか、普通にどかないと惹かれるから、注意だ!これもすごい話だけどね!

 

車酔いを警戒して朝食を様子見しながら食べていたので、昼食と兼用みたくなって歩き出していたので、結果的に買いすぎることになったバナナ等を食べてカロリーを補給しながら歩く。

しかし線路上をまっすぐ進むのって、なんか横から見たら横スクロールアクションみたいだな。バナナ食ってるからドンキーコングか。樽でもあれば投げてるな。

 

向かいから来る人たちと挨拶しながら元気に歩いていたわけだが、いつの間にか前後に人の姿が見えなくなってしまった。スタンド・バイ・ミー・ロードを歩いていたけど、誰もスタンド・バイ・ミーしてくれないから、スタンド・アローンになって、心のBGMも「Stand by Me」から「男はひとり道をゆく」に変更されてしまった。あ、大丈夫です、ハンカチ持ってるんで。

 

何があるのか知らないが、男は一人でゆくものさ!

 

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残り2kmくらいでトンネル出現!これは持ってきた懐中電灯が役に立つな!

 

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そうこうするうちに街が見えてきた!

 

3時間と言われていたが、2時間半かからないくらいで着いてしまった。なんかこう、他の人のブログを見ていて「もうへとへとになりながら、ようやく街の明かりが!」みたいなのを見ていたわけだが、特にそういう盛り上がりもなく、普通に終わってしまった。ああいうのは、一緒に行く人がいて初めて生まれる感情だったんだな、って。

 

というわけで、スタン・バイ・ミーだと3時間、アローンだと2時間半くらいで着きます。

 

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線路をそのまま進むと、インカっぽいモニュメントがお出迎え。こんな感じのが町中至る所にあるぞ!探してみよう!興味ないか!

 

さっさと目星をつけていたホテルへ。ドミで1泊20ソル。朝食はないが、朝早いから別にいいし。宿代は普通なんだな。やっぱり予約しない方が安かった。

 

f:id:haruki0091:20171109080401j:plain中央広場へ。おそらく皇帝=神の子と思われる像。いいですね!こういう感じ!

街自体は大変小さく、温泉街のような印象だ。おっと、ボヤボヤしていられない。

 

マチュピチュはワカチナよろしく、観光都市で観光価格。飯だってえらく高い!と聞いていたので、唯一安いメルカドが閉まる18時までに到着すればその恩恵に預かれるというわけだ!ひ、1人で来てよかった!

 

スープ無しでメルカドの2階が食堂街で、「Menu(定食)」が平均8ソル。手前の店に入ったらスープが終わっており、メインだけなら6ソル。外の定食が15ソル~ということを考えれば、このメリットがお分かりいただけるだろう。

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マス揚げプレート。ご飯もポテトも冷めかけ。何せもう閉まるからね!照明がほとんどない状況で、端から夜の運用は想定されていないないのだ。でも焼き立てのマスはジューシーでうまかった。

 

ここでフルーツも買って、ブラブラと市場調査。うーむ、やはり、食料品の高さは異常。ペピーニャも比較的安いとはいえ、やはり高い。パンとバナナ買ってから来た俺の有能さが止まらねぇわ(必死の自己肯定)

 

宿に戻って調べてみたら、最後2kmは線路から離れるんだって……なんてこった!

 

翌日はいよいよマチュピチュ遺跡である。緊張して眠れない……なんてこともなく、21時にはガッツリ寝てたぞ!ちゃんと晴れるのか、いい感じに写真撮れるのか……どうなる第312話!

 

 

古代の夢が、我を呼ぶ!