第二百九十六話 たったひとつのEのために / 流されて甘いワナ
出立102日目(通算352日目)エクアドル28日目 クエンカ3日目
朝食。フルーツはバナナ以外は前日にメルカドで購入。グアバとネクタリンだ。どちらも食べごろではなかったのか、もう少し甘さがほしいところだ。
グアバはあんまり好きじゃなかったんだけど、ガラパゴスの一件で、まじめに向き合ってみようと思った。そんな成長。
さて、Hさんとダラダラ食っていたら、出るのが遅れ、目的のバスに乗れなかった。
いやー、まさか『地球の歩き方』に本当のことが書いてあるなんて、思いもしなかった。
仕方ないので、滞在を1日延ばすことにし、明日に回そう。
次の街へのチケットを購入し、宿へ戻ることにする。
「San Jose Del Vecino」はバスターミナル近くに位置する教会。今日も入れない。
さて、宿に戻った私は、もう1つ目を付けていた場所へのアクセスを確認。
行先は「Banos」。しかし、しばらく前に滞在したところとはまた別で、クエンカ近郊のバニョス村だ。その名の通り、ここにも温泉がある。さすが火山大国だ。
しかし、だ。『地球の歩き方』には肝心なことは書いてないし、ブログを検索してもここに行った人は少なく、いてももう着いたところからスタート。全く参考にならん!
こうなったら、宿の人に聞くのが早い。その結果、100番か12番のバスに乗ればいいことが分かった。
宿の最寄りの乗り場は「General Torres」と「Antonio Vega Munoz」の交差点付近、「Iglesia de Maria Auxiliadora」という教会付近だ。
この教会も特徴的な形状で面白いな。
なお、「Antonio Vega Munoz」の通りを東から西に抜けて行ったので、この通りなら別の場所でも乗れるだろう。ただ、バス停にはどのバスがそこに止まるかなどの路線図はないので、最終的には地元住民に聞くしかない。彼らはどう把握しているのだろうか。
各駅停車のバスなので、ここから30分ほど揺られていく。
途中で地球の歩き方にあった「南バスターミナル」と思われるものがあった。地図ぐらい載せろよな、クソの役にも立たない。
入り口で25センターボをぶち込むのは同じ。このバスは車内のモニターに次の停車駅が出ていたが、出されてもイマイチ参考にならないよね。
100のバスは終点で降りればOKだが、12はもう少し上まで行きそうなので、GPSで確認しよう。
少し登るとある、教会。鮮やかなブルーが丘の上に。この近くにツーリストインフォメーションがあったが、当然、閉まっていた。そうだろうなぁ。
村ということで小さいが、瓦の色が統一された街並みと緑豊富な山の情景は、日本とは違う温泉町の風情を演出する。
さて、この街にもいくつか温泉施設はあるが、地球の歩き方やブログで紹介されているのがこちら、「Piedra de Agua」。
10ドルでいろんな施設が利用できるとか。平日は観光客の欧米人が多いという記載もあった。皆も行っているということで、ここは、行きません。
Maps.meにはあと2つ、表示があったので、そちらに向かってみる。
「Spa Termal Novaqua」はセレブ用な感じで、最低料金15ドルからと、1軒目の所より高い。あっちのバーニョスでは1回2~3ドルだったことを考えると、マッサージだのなんだのはいらないし、ここはパスだな。
お隣の「El Rinon」は大人5ドルからと最安値。ぱっと見も問題なさそうなのでここへ。
こんな感じ。一番広いプールの様な所は、今日は38℃とか。曇っていて寒かったので、おそらく晴れた暑い日はもう少し温度を下げる用意があるのだろう。
ぬるめだが、キャップも付けなくていいし、何なら前の所より寛げる。あ、水着は必須ですよ。
加えて、日本の温泉なら怒られる、水泳もやってOK!最高やんけ!
施設内には地元住民しかおらず、平日ということでほとんどがご老人と、時々家族連れ。実に静かで心地いい。
この中の一人が少し英語が喋れるということで、その方とお話。
上にトルコ式サウナがある、というので向かってみる。写真でいう階段の上の部分だ。
香草の香りと蒸気が立ち込めるトルコ風呂。一昔前の日本のアレではなく、ちゃんとしたトルコの風呂だ。さほど温度は高くないので、ここでのんびりと、先程のご老人と話す。
中に冷水の出る打たせ湯(蛇口捻る式)があるのがまた面白いが、これらの使い方を教えてくれ、「この中でエクササイズだ!」という彼に倣って筋を延ばす。
気温が低めだったので、この施設は大変ありがたい。
何度か温水プールとサウナを行き来して過ごす。5歳くらいの男の子や、1~2歳の子どもも現れ、彼らの人懐っこさと愛らしさに癒される。ああ、あれくらいの子どもがいても(以下略)。
そんな感じで2時間半くらい過ごして、温泉を出た。あんまり観光客は来ないんだろうな。しかもアジア人は。結構珍しそうにして、話しかけてくれた。
同じ様に100のバスで戻り、荷物を換装してメルカドへ。
15時回りましたけどね、お昼食べてないんで。
オタバロでも食べた豚の丸焼きプレート。3ドル。量は少ないが、豚肉の肉食ってる感とコーンや芋(ユカ)との組み合わせは唯一無二。食べたくなったんだから仕方がない。
ここから川沿いの通りを東に向かい、目星をつけていたカフェへ。
店の名前、不明。
ここで目を引いたのはホットチョコレートだ。コーヒーは諦めたので、こういうのがおいしそうなところを探していた。
キャー、素敵な外観!マシュマロ浮いてるのが素敵すぎ。
少し甘さが強いが、ドロリとするほど濃厚で、スゲー旨い。さすがチョコレートの国だ。
これで1ドルなら大変に価値があるだろう。
なお、コーヒーや軽食も普通にある。
帰り際に内装を。オシャレカフェだし、店員も静かだが、ノリがいい。WiFiに繋ぐときにスマホの文字見て日本とわかったり、私の県を知っていたりと、意外に日本フリークかも。
教会前のプレハブ民芸品市場で試しに聞いてみたら、奥から普通にTシャツが出てきた。マジか。
2軒目くらいでいいのも見つかり、一安心。13番は手縫い刺繍のオリジナルTシャツもあるぜ。
さらにメルカドに戻って、エクアドルといえばということでピュアチョコレートを購入。
さらに店のオヤジが控えめに勧めてくれたキャラメル的なこちら、名前なんだっけな、おそらくブログに複数回登場しているが、一口もらったらうまくて購入。2ドル+1.5ドル。いやー貴利矢先生、ノセられちゃいました!
あとはビール買って、夜の街へ。
カテドラル
旧カテドラル
ついに中に入それたのに、改曲を演装工事。しかしミサ中で、アコギでPOPな曲を演奏。いいのか、それで。
ホテルの屋上から。セントラル近くで、景色がいいのに安い。
クエンカは安全な街ということで、取りあえず20時ごろは何もない。晩飯を食べに出るのも問題ないだろう。多少高いかもしれないが。
Hさんも台湾人のYちゃんも一度宿を出たので(2人とも別口で、明日戻って来るとかww)、フランスガールと2人だ。初対面でガンガン話しかけたのが良かったのだろう。フランス人ヘイトも感じないし、気まずくもない。お互いの下着が干してあったって大丈夫だ!
今日はいろいろ買ったので、フルーツとビール等でお茶を濁して終了だ。
さて、明日こそ目的地へ!
古代の夢が、我を呼ぶ!
第二百九十五話 たったひとつのEのために / ノリは時間で変わるもの
出立100~1日目(通算350~1日目)エクアドル26~7日目 ガラパゴス16日目 サンクリストバル島6日目~グアヤキル~クエンカ1~2日目
いつものスタートを切り、ちょっと街でガラパゴスコーヒーを買い、荷物を整えて宿を出る。
この旅一番の値段ということもあり、大変いい宿であった。
野菜分けてもらったり、便宜も図ってもらったしね。
最後に記念撮影。お世話になりました!
アシカを見てのんびり向かったら、カウンターが閉まっている。あれーまだってことかなー?とブラブラしていたら、係員のお姉さんが慌てたやって来た。
「この航空会社?」と慌てて手続きを始める。2時間前には宿を出て、1時間以上前には着いている。国内だし大丈夫だろう、と思っていたが、ここでピンときた。
ひょっとしてこのチケットの時間、エクアドル本国の時間=1時間早いで記載されているのか?
そうなると、出発まで20分切ってるね!それはやばいね!とバタバタ手続きをする。荷物も手持ちで飛行機まで持って行く。ようやっと席について一息。手元のペットボトルに水入ってるけど、それすらスルーって、よっぽど急いでたんだな。
そういや、『地球の歩き方』に「ツアー開始時間はエクアドル本国時間かもしれないから、注意」みたいに書いてあって、最初は用心してたっけな……油断したぜ。
皆さんも十分に注意してください。乗り逃したらシャレにならないので。
まさか最後の最後にバタつくとは。名残を惜しむのも巻き目になってしまった。アイスランド以来、久しぶりのタイトル通りの『世界の果て』っぽい旅路も、ひとまずおしまいだ。
軽食とジュースが出て、小一時間もするともう着陸態勢だ。予定より1時間半は早いな。この電子チケット、クソの役にも立たないじゃねえか!
しかしいい点もある。グアヤキルからさらにバスで移動予定だったのだが、到着が19時回る予定だったので、早まれば一気に楽になるはずだからだ。
宿も高いし治安悪いし、もうすることないしでとどまる理由もない。バスターミナルへは空港から歩いていけるので、なおさらだ。
若干バスターミナル内で迷子になりつつ(広くてチケット売り場わからなかったんや。1階にあるやで……)、14時発のクエンカ行きに。8.25ドル。
出発早々眠りに落ちる。物売りが大声でやってくるのも懐かしい。
市内より当然高いバスターミナル内の物価ですら、ガラパゴス後だとお安く感じるほどだ。
1度のトイレ休憩を挟み、4時間程度で到着。休憩後から山道に入ったが、酔う様な運転でなかったのが良かった。ただ、高度はグングン上がるので、高山病を恐れたが。ガラパゴスでリセットされてるから、不安だよね。
バス停からセントロまでは市バスを利用。
バス停が2か所あるが、北側の、時計塔の裏にある方から乗る。偉そうに言っているが、違う方に行って姉ちゃんに場所聞いたからね、皆は間違えないでね。私は18番に乗ったが、他にもあるはずだ。入り口で25センターボコインをぶち込んで乗車。
18時を回り、街は病の中に沈みつつあるが、クエンカはエクアドル有数の治安のいい街。バスを降りた後も危険そうな雰囲気はなく、宿に着いた。
同じ部屋に日本人の男性Hさんがおり、しかも同年代、大学が一緒ということがわかる。久しぶりに日本人と会ったなぁ。日本語喋れてよかった。
久しぶりといえば、街にビールを買いに出たが、500ml缶で1.25ドルって、久しぶりに安いなぁ。
夕食は前の宿で作って来たネギま炒めを温めて、ビールと。10日ぶりくらいのビールうめぇえええええええっ!!!
キッチンには同じ部屋の台湾の子がおり、その子と少し話す。そこへ吹奏楽が流れてきて、ベランダに出てみると
おっ、パレードやんけ!
どうやら消防関係のものらしく、ファイヤーマンたちが火を掲げて歩いている。勇壮な音楽もいい。
このホテル、安い割にセントロ近くなので、屋上からこれを見られたわけだ。ラッキー!しかし何のパレードなんだろうな。
部屋に戻り、出掛けていたHさんにパレードの話をしたら
「火の用心じゃね?」
「あんな派手にっすか?」
「じゃあ松明持ってたし、火を付けに行ったか」
「んなマッチポンプな……」
という話をしたとかしないとか。
翌朝。
ホテルはパンとスクランブルエッグ、バナナにコーヒーという、軽めの朝食が付く。Hさんと一緒させてもらった折、ベネズエラで買ったというコーヒーを、別途馳走になる。
入れる道具までお持ちのHさん。伊達に荷物は多くないのだ。
既に南米を回り、1月後には帰るという彼から、情報を仕入れる。
うーむ、また早めにしといた方がいいところがありそうだ。
さて、町歩きに出掛けよう。
クエンカはグアヤキル、キトに次ぐ、エクアドル第3の都市で、平均気温14℃、標高2,530mに位置する。
16世紀にスペインに侵略されて以来、カニャーリ族の街の雰囲気は消えたものの、住民の大半はインディヘナが占め、至る所に華やかな民族衣装に身を包んだ女性たちの姿を見かける。そして街並みも、16世紀の雰囲気を残し、1999年に世界遺産に登録されている。
石畳が特徴的で、車通りは多いものの、コロンビアのポパヤン程運転も荒くなく、空気もキレイな印象だ。
ガラパゴス後ということもあるだろうが、相当に都市として完成されている印象で、エクアドルの京都、といったイメージだろうか。
まずは街の中央にあるカテドラルへ。
1885年に建設された新しいものだ。
反対側から見ると分かるが、青いドームの乗った大理石造りの見事な建物。
中も荘厳な造りで、音楽も雰囲気たっぷりで、久しぶりのこういう文化文明に触れている感が心地いい。そう、ここからは人類の築き上げた英知=プレシャスを探す旅という実感が改めて湧いてくる。
接近。うーむ、いいね。派手ではあるものの、全体的に落ち着いており、神聖な気持ちになる。ステンドグラスにゾウガメもいないし。
ここの向かいにはかつてのカテドラルが博物館としてあり、1ドルで観覧できる。
正面には最後の晩餐の像。壁画も面白い。
こちらのカテドラルは1557年の建設で、当時の壁画も残っている。大体信長さんがウォーミングアップ始めて、弟を暗殺した頃だね。
ここに今のカテドラルの模型もあったが、それだとツインタワーの上にはさらに何かある。一体この差異は何なんだろうか。
こちらはサントドミンゴ教会。町中には至る所に教会が存在している。南米に入ってから、結構中に入れない率高い私は、当然、ここもダメだった。残念。
「Museo Manuel Agustin Landivar」は博物館にインカの遺跡が併設されている。
町中に突然こんな石組みの水路や建物跡が現われるんだから、驚きだ。
博物館自体は出土品が少し並んでいる程度だ。
実は何だかんだ回っているうちに、既に正午。腹も減って歩くのしんどいので、飯だ!
今日はこちらの店。なんと、「Almuerzos」が1.5ドルというのだ!こ、これはガラパゴスはもちろんのこと、キトやグアヤキルよりもえらく安い!どんなものが出て来るのか……
スープは牛肉だしで、コーンを入れるタイプ。既にいい感じのボリュームだ。もう1.5ならこれで終わりなんじゃないかと疑うレベル。
そしてメインキター!結構大きい鶏肉に山盛りライス。ジュースも自家製だ。軟骨も食べられるほど十分に煮込まれて柔らかい。これで本当に?ってレベルだ。間違いなくエクアドル最強レベルのコスパだ。
街の平均は2ドルだった。うーむ、見事だ、クエンカ。
ちなみにこの店だが、「San Bias」教会のある広場の北西の角を北に上がっていくとあるので、興味のある人は探してみよう。スープを飲み終わる頃には店は相席&満員の状態だったので、正午前の入店をお勧めしたい。
再び道を南下し、「Iglesia de Todos Santos」の前に。
実際の扉を用いたオタバロ族仮面の見事な壁画と教会。こういうアートの写真を集めている旅人もいたが、たまに面白いのがあると撮りたくなるよね。
西に進んで「Mercado 10 de Agosto Seguro」へ。
ここは市民の台所。野菜にフルーツ、肉、魚、米やらコーンやらと何でも揃う。2階には食堂もあり、ここも安値で提供している。1.25~2ドルでAlmuerzosがいけるし、他の料理も安いだろう。
「Church of San Francisco」。
またしても入れなかったが、見事な造形。これの前に大きな民芸品市場があると聞いていたが、なんか解体されている様な……・。
代わりなのか、目の前の通りにはプレハブの市場が建っている。
こちらの一際インスタ映えしそうな教会が、「Iglesia San Alfonso」。青い屋根と白い壁が美しい。お察しの通り、中には入れなかった。
こちらの向かいには歴史的っぽい役場が。これも雰囲気あるなぁ。
エクアドルはTシャツのセンスがいい、と以前書いた気がするが、もう少し欲しいなーと思って探してみたが、なんか、ポンチョとかはあるのにTシャツが見当たらない。
街の至る所にアパレルショップはあるが、完全に現地人用で、土産物系は少ない。これはちょっと意外だな。グアヤキル辺りがそうというのは比較的理解できるが、歴史的な建物の街=観光業で栄えそうなのに、ベーシックな土産物が置いていないなんて!
一応Tシャツを扱う店(Galapagosというところ)もあったが、お気に入りの柄がないとそこまでだし。うーむ、全体的に物価が安いから期待していたが、Tシャツを買うなら、他の街の方がいいかもしれない。
すっかり探索につかれたので、探し回っていた中からよさげなカフェへ。
確か「Nucallacta Cafe」ってところかな。セントロの東にある「Hermano Miguel」という通りの、セントロ以南にはよさげなカフェがいくつかあるが、ここは豆の販売もしているところだ。
こんな感じ。1.5ドル。店の雰囲気もいいが、味はまぁまぁかな。量は多いし、WiFiも飛んでるしね。エクアドルはやはりチョコレート中心に考えた方がいいかもしれない。
再度Tシャツ探したり、メルカドでフルーツ買ったりして、宿に戻り、18時ごろに再びメルカドへ。ここでまだ開いていた店で1.25ドルのAlmuerzosにチャレンジだ。
おああちゃんが一人でやっているっぽいところで、まずはスープ。
豆がいい感じに煮えて、ポタージュ状になっており、上のネギがアクセントに。うまい、うまいぞ婆さん!
メインはこちら。煮込まれた豆と肉だ。ボリューム的にはアレだが、味は満足いくものだ。ジュースは……風味の付いた砂糖水程度だったけどね。
もしかすると、全体的なボリュームとしてはメルカド以外の方がいいのかもしれない。まぁ、1店舗ずつの比較だからアレだけど。
あと、街の南部、「Iglesia de Todos Santos」の通りは、西に行くと何故かインド料理屋街がある。何で固まってるんだろう。ちょっと高いけどね。
宿に戻り、冷蔵庫にビールを入れていると、Hさんが現われ、スイカを勧められたのでいただく。おお、旨いじゃないか、エクアドルスイカ。
そこに、キッチンで調理する欧米人たちが。な、なぜだ。もうこの街なら確実に、自炊するより外で食った方が安いぞ?確かに、メルカド飯だとどうしても野菜等のビタミンが不足する。それで自炊に走ることもある。しかし……あっ!もしかして!
欧米人自体は割と街中で見かけるが、今日私が行ったような地元の人間もガンガンの店で、彼らを見ることはほとんどない。とすると、もっときれいな、観光客向けの店とかに行ってるんじゃないかな。んで、昼はそういうところで高かったから、夜は自炊して節約する私、キャハ!みたいな。
だいぶ悪意のある捉え方だが、メルカドの食堂とか薄暗いしね。ああいうのを「小汚い」と思う人がいても不思議じゃない。衛生的に……とか思うのも不思議じゃないかもしれない。これは日本人でもいるだろうが。
慣れというのは大切だが、感覚を鈍らせるものだということを改めて気づかされたのだった。
さ、そんなことより今日も晩酌♪
1Lの瓶が売ってたよ。これで1.75ドル。ガラパゴスだと、600mlで倍の値段。やはり違うね。本土では600mlは1.5ドルです。どういうことですかね、この値段は。
スナックも久しぶりだなぁ……
さて、明日はちょっと遠出しようと思う。
太古の夢が、我を呼ぶ!
第二百九十四話 たったひとつのEのために / 海底Go!Go!Go!
出立99日目(通算349日目)エクアドル25日目 ガラパゴス15日目 サンクリストバル島5日目
曇っていたし、筋肉痛もあったので、結局ツアーは見送った。
さて、パンとハーブティで始める一日がすっかり型にはまった。パンはね、結構安いんですよ。やっぱり自前でやってるからなのか。
さて、昨日のツアー会社にシュノーケル道具を借りたらいくらか聞いていたので、今日はよさげだったポイントで潜ってみようかな。
マスクだけ、ヒレだけなら3ドル。2つなら5ドルだが、まぁ、遠くまで行く気はないので、マスクだけ借りて出掛ける。
このタイミングではいい感じに日が出てきていたのだが、どうも雲が多くてちょいちょい隠れる。出てる時といない時とで気温の差が激しい。
ガラパゴス諸島は赤道近くにありながら、南極辺りから寒流が流れてくる影響で、風は冷たい。これが朝夕の気温を下げているわけだが、今日はそれをストレートに感じる。
マン海岸。街から少し歩くと、比較的泳ぎやすい場所に出る。その土地柄から地元民も多く、ついでにやっぱりアシカも多い。
ちらっと潜ってみたが、近場でもかなり魚がいて、砂浜にもかかわらず、かなりよく見える。やっぱり素の透明度が違うよね。
ここから2日目に行った、ダーウィンベイのポイントへ。
うーむ、やはりキレイだ。
昨日のガイドさんは午後の方がいいといっていたが、何となく理由がわかる。引き潮で岩が露出している。
とはいえ人も多いので、早速潜る。あ、写真ないですが。
遠浅な感じだが、岸から20mも離れたところで、ウミガメに遭遇!取り立てて逃げるでもなく、悠然と泳いでいるので、それについて周りを泳ぐ。
昨日見たアシカのように激しく早く動かない分、追跡はしやすく、ゆったりとした様子に思わず和む。
岩にくっついた海藻やコケを食べる様もじっくり観察できる。
数分間一緒に泳いでいたら、寒くなってきた。やはり天気の関係で、水温が上がっていないようだ。
アシカが数頭いるようで、鳴き声を上げながら回遊していた。まぁ、ビーチと違って数が少ないので、ウザくなくていいが、何が目的でグルグルしているのか、よくわからないな。
小さいのはやはり人懐っこく、人間のいるところで泳いでいる。
銛を持ったダイバーが上がってきて、何かと思ったらタコだ!
既に腹を裏返したのか、白く、内臓みたいなのをポーンと海に投げていた。どうやらレストランで出すためのものらしい。ガチ職業の奴やん。スゲーな、ダイバー。
もう1つの砂浜「Playa Punta Carola」へ。
相変わらずのアシカまみれ。
アシカと泳ぐかーと思って潜ったら、またしてもウミガメ。今日はウミガメデーだな!
さっきも見たしな、と早めに離れたが、すぐ近くにウミガメ。おいおい、まだ岸からそんなに離れてないぞ。スゲーな、ガラパゴスは!
でもね、寒いの。
先程の所に比べると、砂浜の照り返しがあるからか、こちらの方が温かい。ぼんやーりとアシカとか海を眺めて過ごす。何ていいお休みなんでしょうか。
アシカの赤ちゃん。とくれば「雨の中 赤い雨傘 甘えん坊」と続けたくなる世代ですが、そんなこと思っていたら雨がぱらつき始めた。雲は薄く、霧みたいな雨だ。すぐ止むだろうが、まぁ、いい頃合いだから飯でも食いに行くか、と海岸を後に。
フィルターコーヒーを出す店は、14時前後には閉まっていた。早すぎないだろうか。いつ行けば飲めたのか、まぁ行きには開いていたわけだが、ちょっとタイミングじゃないな、と思ったらこの様だ。ま、縁がなかったんだな。
メルカドも着いたときには14時半で、既に店は一つだけだった。先日の隣の店だ。4ドルでいいという。
スープは肉とトウモロコシ、ジャガイモにバナナの入ったサンコチョで、コクがあってうまい。
そしてメインが鶏を揚げたもの。
おお!ご飯に工夫がみられる!そしてサラダか。これで4ドルとは、ガラパゴスで一番のコスパ飯だ!まさか最終日に出会うなんて、よっしゃラッキー!
味も申し分なかった。
帰りにパン買って帰ったが、なんかまた天気よくなってきたので、再び海へ。
この先の国で、海に入ることはもうなさそうだし、日本帰った後も海なし県だから、下手すりゃ1年以上入らない。今のうちに海水浴欲、略して海水欲を満たしておく必要がある!手かこんなきれいで面白い海が、そもそもなかなかないじゃん!
今度はアシカの泳ぐ様も、またしてもウミガメにも会えて、もう言うことはない。
アシカは本当に海だと早いな。ツインテールが実は海底怪獣だったみたいな、そんな感じよ。
というか、こんなに見られるのか、ウミガメ。こういうことなら毎日借りればよかったかな、シュノーケリングマスク。
飽きてたな。これでよかったな、うん。
しかしわざわざツアーに行かなくてもこれだけ見られることが分かったのが大収穫だ。
魚関係なら、ツアーで見た種類は大体海岸すぐのところで見られるし、大物2つも見られる。サメとかマンタは無理そうだけど。
夕飯はメルカドで買ったマグロ。「1kg」と言ったのだが、もう切った分を売るシステムなのは相変わらずで、2kg売られる。えー、明日の昼には帰るのにーどうしようかなー
ということでクッキング!
ハイ、ネギま鍋と刺身、サラダと、前と同じですね。
残りは炒め物にして、持って行くことに。調理中、キャラメルちゃんがめっちゃアピールしてくる。おいおい、人間様より先にくれてやることはないぜ?飼い主でもないからね。しかし出来上がり寸前に上に上がって刺身を奪おうとしたことで、ワイ、拒否を決意。
余りにうるさいためにオーナー夫婦に外に締め出される。
更に保存用の方を狙った再度のアタックで、もう一度外に締め出されてしまう。
あーあ、もう少し待てれば、ぶっちゃけ食い切れなかったのでくれてやれたのに。
普段動物に甘い私も、食べ物が絡めばそこは生存競争だ。ルールを乱す奴らは消して許しておけないと、ウルトラマンも言っていたしな!(ザ・の方だが)
そんな些細な争いで、最終日は終了した。
明日は久しぶりに南米大陸。新しい街に行くときはワクワクと不安が入り混じりますな。環境も結構変わるし。
古代の夢が、我を呼ぶ!
第二百九十三話 たったひとつのEのために / 足元がグラつくときにはもう飛べ飛べ飛べ飛べ!
出立98日目(通算348日目)エクアドル24日目 ガラパゴス14日目 サンクリストバル島4日目
さて、船で行くツアーということで、この日は酔い止めの薬服用。そのためにパンひとつ平らげた。これが功を奏すればいいが。
7時半にツアー会社に行ったが、シャッターが下りていて、焦る。おいおい、この時間って言われたんですけど?とウロウロしている内に、無事に人が来て、滞りなく出発。
今回は6人でのツアーだ。アメリカ、カナダ、UKで、全員英語圏で気が楽。
妹が日本に留学中な女の子もいて、私の出身県のことも知っていた。観光で行ったことがある人が多いのも特徴か。皆親しみやすくていい雰囲気だ。
そして、4人がクルーズ船使ってのツアーからの客らしい。スタンダードな方法での観光だ。今思うと、内容をもう少し詳しく聞いておけばよかったなぁ。
ダーウィンベイを見てから「Isla Rojos」に向かい、ビーチに寄って帰ってくるという内容で、80ドル。
昨日までの晴れ空が嘘のように曇りで、気温がイマイチ。ガラパゴスでは天気運だけ持っていなかったか。
先日陸側から寄ったダーウィンベイも、海側から寄ると意外に鳥類が多くいることに気付く。
この黒いのは何だろうな。カモメ的なヤツだろうか。
海面にはアシカやウミガメなどが見えた。この辺はコンスタントに居るね。
そして「Isla Rojos」に上陸。大変に小さい島だが、陸から離れているというその一点でか、鳥たちの楽園になっている。ついでに言うと、ビーチサンダルでは厳しい足場だ。
つっといてトカゲから。ガラパゴスならではの奴らしい。
なるほど、サンタクルス島で見たものとは少し違う気がする。体の上下動もしてないし。
お、来ました!本日のメイン、グンカンドリ!
雄のお腹が赤いのが特徴のアレだ。右のは雛の様だが、体の大きさは既に大人並みだ。
おっと、つがい発見。左上はこれも雛だね。胸が白いのが雌だ。
こちらはメスが羽を広げている。卵が下にあるとか。1度に1個だけ卵を産むらしい。哺乳類みたいだな。
雌のアップ。ここまで近づける。卵を温めているんだろう。特に威嚇もしてこない。
おっと、出ました、求愛のポーズ!
独身の雄がみせるポーズで、特徴的な鳴き声を上げて開始するため、ガイドが「お、始めるかもしれないぞ!」と辺りを探す。ちなみに、発情状態じゃないと、本当に赤い面積が小さくなっている。まぁ、人間も同じような……なんでもない。
ちなみに、膨らませた状態で飛んでいる奴もいる。露出狂みたいな奴だな。
そしてまたまた来ました、アオアシカツオドリ!
初回のツアーでも遠目に見たが、相当近場で見ることができた。
こちらはメス。目が大きめで、足のブルーをはじめ、全体的に色が淡い。
おお、羽を広げた!当然逃げるが、思ったよりも近づける点が、さすがアホウドリ系。
まぁ、この2種類見るのが今回のツアーの目的ですからね、それくらいできないと。
アシカの親子。当然、ここにもアシカの楽園がある。
生まれて3日程とのことで、よく見るとへその緒がまだついていた。切なそうに鳴く。
アメリカンが近づいたら、メスが威嚇した。まぁそれはそうだな。人間の母親だって攻撃的になるんだから。ガイドからは、2mの距離を保てばだ丈夫、という注意が。
そして右上に見えるのがシーライオン岩で、ここもダイブスポットとして有名。まぁ、僕はライセンスないんでね、どこかで取ったらまた来たいですね。
こちらはアオアシ~さんの雛。なんと、雛は足が青くない!年齢を重ねると青くなるという。そして、親以上に警戒心がないのか、好奇心が強いのか、更に近くまで寄れる。
こちらはつがい。左が雄で、右が雌。先ほどの記載はこれを見ればわかるかもしれない。
何とメスの足元には生まれたての雛がいた。それでも2mくらいまで接近できるんだから、本当に観光客に優しい鳥だ。
雄のアップ。若干凛々しい?
こちらはグンカンドリの親子。左が雛で、母親がエサを取ってきたところだ。
子どもは早くくれとねだるが、どうやらエサを上げるタイミングに他の奴にかっさらわれる危険があるらしく、母親は周囲を警戒し、他のグンカンドリが姿を消してからあげるらしい。勉強になるね。
アシカのコロニーがあった。
もう本当に獣臭くて、養豚場を少し薄めた感じ。思わず「臭っ!」って言っちゃうレベル。
ここから船乗るぞゾーンにアシカが寝ており、ガイドが追い払う。それを追うアメリカン。
子連れは威嚇するも、子どもが逃げればさっさとどく。血気盛んな雄は反抗的だ。
お、ここにもアオアシ。これはメスかな。逃げるアシカに動じることなく、その様を見続ける、ある意味超然とした態度(上の写真でも、中央右に写ってるよ!)。ここまで来ると、もうなんか貫禄だ。つ~かかわいいよね、ほんと。
一際大きなアシカが現われた。アルファ雄、いわゆる群れのボスと思われる。
なんか迫力が一頭だけ違う。ほとんど怪獣というか、こいつは「Sea Lion」と言われても納得できる。
この後はダイビングタイム。当然、写真はないww
今回は小さいエイやウミガメ、キレイな魚の群れや、当然泳ぐアシカにも遭遇。
若い個体だったのだろう。好奇心が強く、すぐ寄って来て近くをすり抜けていく。
ガイドによると、自撮り棒などを近づけすぎると噛み付いたりもあるそうだ。曰く、槍とかと間違えて。狩りされないための防衛本能なんだね。
太陽がないためか、案の定寒く、にしてはウェットスーツ着てない奴もいたし、何なんだろう、って感じだ。
ツアー最高齢の、おそらく70歳オーバーのおばあちゃんがいたが、彼女も浮き輪と救命具ありとはいえ参加していたのが印象的。まぁ、ツアーに一人で来るくらいだから、アクティブなのは当たり前だろうが、彼女はかなり親切で、心が安らいだ。
昼食は魚ご飯にサラダ盛り放題。今日は風がなくて海が穏やかだったこともあり、懸念は取り越し苦労で終わって飯がモリモリ食える。
そしてビーチへ。
寒いのだが、時折顔を出す気まぐれな太陽が、ビーチで横になっている体を容赦なく焼き、思わず体を起こしてしまう。
シュノーケル道具を持ってきたので、泳いでみるが、そうすると寒い。まぁ、先程見られなかった魚も見られたので、万々歳かな。
ガイドさんが撮ってくれたが、そんなことしてたのか、ドイツ人。
何枚も撮ってあったが、こちらの動きをトレースされていた。
こうして13時過ぎにツアーは終了。
ガイドに明日は別のツアーにと誘われたが、まぁ、天気次第だよねww
最終日だからのんびり過ごすのもいい気がするし。
夕飯はこれまた市場がやっていないので、野菜でラーメン定食だ。
いよいよフィナーレとなるガラパゴス編。最終日はどうなるのか、待て次回!
命の神秘が、我を呼ぶ!