新劇場版 世界の果てまで行って:破

新劇場版 世界の果てまで行って:破(仮)

このブログは、特撮オタクの私が、5年半努めて勤めた会社をやめて、ユーラシア大陸をめぐる物語である。〈背景のモデルはフルスクラッチです:自慢〉

第二百五十話 C 32歳の革命 / HAVe A Nice dAy

 

出立27~30日目(通算277~80日目)キューバ 2~5日目 ハバナ2~5日目

 

 

朝食はパンとオムレツ。にフレッシュマンゴージュース、コーヒー。

Kさんとコリアンカップルが先におり、あとから日本人女性Yさんもやって来た。

彼女が醤油を持っていたのでそれを使わしてもらったが、本来はバターもケチャップもない。おお、面白くなってきやがった。サルサ買っとけばよかったな。

 

半年出ているので日本食恋しい話も盛り上がったところで、YさんとKさんは今日宿を出ることが判明。おおい、一人じゃねぇか!なんでも、海辺のリゾート=バラデロで食べ飲み放題二泊三日のツアーに行くとか。ああ、いいね、それ。でも私、行ったら泥酔して記憶なくしてそう……。

人口比的に一気に韓国人宿になったが、まぁ、いい。とにかく観光だ!

 

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ここキューバハバナは首都ということもあり、文化経済の中心都市だ。

その辺をゴロゴロとクラシックカーがはしっているのも、この国ならではの光景だろう。ソ連カーもあるよ!

 

そしてこの国を、街を旅するうえで欠かせない人物がいる。

まずは当然、エルネスト・チェ・ゲバラ。そしてカストロ議長にカミーロである。

もう一人は作家・ヘミングウェイ

ということで、この革命の動きと作家の動きを中心に、今回は回っていきたい。

 

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旧国会議事堂は修復中。ホワイトハウスを模していたというのが皮肉が効いている。

 

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アリシアアロンソハバナ劇場はキューバクラシックバレエの総本山。

 

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革命博物館は元大統領官邸だった場所。

ここに写真や武器等の展示が並ぶ。

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当然悪役のバティスタやアメリカ大統領ズはこんな感じに弄られている。

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チェとカミーロ。死んだからなのか、やはりこの二人のヒーロー的展示が多い。ある意味、フィデルの奥ゆかしさのようなものの表れかもしれない。

 

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当時の突入に使った車なども展示。銃痕が生々しい。

 

今更キューバ革命について多くを語るまでもないだろう。本もたくさんあるし、映画もいいのがたくさんある。

世界の警察=アメリカと相対し(今も不利益あるし)つつも、ここまで世界中で愛されているのは、ある意味日本でいうところの「滅びの美学」があるのかもしれない。

キューバ革命で英雄としての、そして経済的にも安定した地位を得たチェは、にもかかわらず他国の独立戦争のために地位も家族も擲って、生涯一兵士であり続けた。まぁ、頭おかしいやつともいえるが、若き日の彼が旅空の元に見た中南米の国の悲惨さは、独立を勝ち取ることでしか脱することはできないという、理想主義を確固たるものにしたのだろう。しかもイケメンだし。まさしくカリスマの王者。

カミーロにしても飛行機の墜落で死んでいる。義経然り、幸村然り、新撰組然り。どうも悲劇的な人物を英雄視する風潮は古今東西変わらないのだろう。

 

街にはスペイン統治時代~アメリカ統治(実質)時代にかけての要塞も多く残っている。

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プンタ要塞に

 

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モロ要塞。美輪明宏……何でもない。

  

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フエルサ要塞。てっぺんの女性はキューバのシンボル「ラ・ヒラルデージャ」である。見えねぇよな。

 

ここの守衛さんが日本人と知ると、知ってる日本語を連呼してきた。彼以外にも結構同じ様なキューバ人がいた。実は日本とキューバはもうすぐ国交90年を迎える。

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そのため、例えばこんな日本人像が立っていたりするくらい、ちょっとした親日国みたいだ。仙台のみなさーん!私はここですよー!とか一人で言ってたのは内緒だ!

 

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カテドラル。

メキシコに比べるとそこまでではないが、一応カトリックの国。しかし教会は滅多に見ない。

 

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酒狂いとしては訪れたかった「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」はヘミングウェイが愛したモヒートが飲める店で、彼のサインなどの足跡が店内に残り、バンドの演奏もされている。

 

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混み合う中、何とか座れた!一杯5CUC。暑いさなか歩いてきて、この一杯は強烈に効く!ガチミントをガシガシ目の前で潰し、キューバ産のラム「ハバナクラブ」で割って作ってくれる、まさしく本場の味だ。

 

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ということで、ハバナクラブのラム博物館へ。ここはラムの製造工程を教えてくれ、最後に一杯飲ませてくれる。

ちなみにこのロゴの人型が女神「ラ・ヒラルデージャ」である。

f:id:haruki0091:20170823133620j:plain各工程で各国の酒で例えてくれ、日本が最後のオチに使われる。アジア人は私だけ、言語体系・文化が全く違うため、「何それー?」状態ながらもリスペクトを感じる雰囲気。いやぁ、日本人のいいイメージを築いてきた諸先輩方のおかげですな!背筋が伸びますわ!

「日本人か!俺日本好きなんだ!よろしく!」とか「今のどういう意味?」とか「ウチのはバーテンダーになるんだ!おい、お前、この写真撮っとけ」「親はああ言ってるけどまだ何もしてないんだよ。困るよな、本当に。俺、柔道好きだよ。大外刈りいいよね!」とかね。

 

ハバナクラブ安いの5CUC代かー。今日飲む用に買ってこうかなー」と思ってたら、日本好きと言っていた親父さん、ニヤニヤしながらこれ見ろ、という。

 

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1,700CUC!?19万円くらい!?スゲー、超スゲー……。

 

宿に戻る途中でアイスを買う。

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地元用で人民ペソで買い物。2,5CUPだから……11円!?安い!ってかうまい!

 

もう1つの日本人宿「ホアキナの家」には「情報ノートがある」と聞いたので、行ってみると、結構日本人がいる!しかし部屋は空いていない!

これは……パスだな!

考えても見ろ。革命のメッカに来たのに、何も他人の敷いたレールを走ることもあるまい。いや、確かに今までも情報は取得していたけれども!入国した以上はもう持てる範囲の力で乗り切ろう!

そうなるとめし屋が全く見当つかんがな!

と彷徨っていると、おっちゃんに呼び止められ、おっちゃんの店?なまりが強すぎて英語がわからんが、ついていくと、店の中でどう考えてもネイルケアをしている。

取りあえずビールをもらう。おお、これがキューバの2大ブランドの一つか。すっきりテイストなのはメキシコと変わらず。1,5CUCかな。最後おつり誤魔化されたけど、いいや。

飯は5CUCと言われたが、取りあえず断る。高くはないがね。

店にいた娘さんを「嫁にどうだ」「日本で歩いても大丈夫か」という田舎のオヤジみたいなトークも炸裂し、面白かったが、翌日行くかなぁ。

 

宿の近くでピザとビールを買う。

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これまた地元民用なので、ピザ20+ビール34CUP=240円くらい。急に安いな!

キューバ飯はうまくない、と脅されていたが、このピザもよくわからん甘さがあり、微妙といえば微妙。タバスコ欲しい。返す返すもメキシコでサルサ買っとけばよかった!

 

翌日には日本人のY君がドミに来た。空港で夜を明かしたからと眠る彼を横目に新市街へと足を延ばす。

 

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革命広場。

メーデーなどでの国家評議会議長の演説の場になっているとか。中央のホセ・マルティ像は18mというから、ガンダムと同じ大きさである。でかい……。

 

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また、これの向かいの内務省の壁にはエルネストの肖像と

 

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カミーロの肖像が。クラシックカーで乗り付けた外国人たちがめっちゃ記念撮影。おい!カミーロの前でも撮れよ!

 

旧市街に戻り、ホテル・アンドス・ムンドスへ。

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ここはヘミングウェイが邸宅を購入するまでの間、根城にしていた場所で、彼の部屋は記念館として残っている。彼はここで「誰がために鐘は鳴る」等の本を書き上げたとか。

 

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ピエハ広場にはクラフトビールを飲める場所があり、ここで黒ビールを。2CUC。

日本のものに比べてスッキリしたテイストだが、味の薄い中南米ビールを考えるとこんなものだろう。

 

のんびり散歩しながら宿に戻ると、日本人のCさんがちょうど到着したところだった。キューバに何度も来ていた、というから、色々話を伺う。

彼に付いて夕食へ。有名な海鮮系のレストランがあるというので、そこで、エビのヤツを頼む。

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6.5CUC。これが滅茶苦茶うまい。塩とニンニクを使って炒めたシンプルなものだが、それ故に素材の味が出ていて○。一緒に頼んだモヒートとキューバリブレもうまい。おかげで1,300円くらいかかったけどな!

ここでCさんの出身地が、驚くべきことに同じ町内だと判明。キューバの地で海津城の話を展開するというミラクル加減。 

 

この後、彼の知り合いのキューバ人の家に行き、結構話し込む。やっぱりスペイン語話せるのは強いんだなぁ。

ハバナクラブを買って帰り、二人で酒盛りを始めると、Yくんと新たにドミに入ったCちゃんもやって来て、宴会に発展。昼間葉巻を売ってきたオヤジの話をすると、「ああ、それは偽物だね。よくある手口だよ」とCさん。そうか。ガチで金持ってなかったから買わなかったけど、っていうか1箱20~40CUCって高すぎるからね!

そして日本トークに花が咲く。おかげで飲み過ぎちまった……。

 

二日酔いを引きずって、宿を移るTちゃんを見送り、旅立つYくんに別れを告げる。さよならだけが人生だな!

のんびり旧市街を散歩して、「爆風消火だ!」とクラフトビールの店で白を呑む。

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ああ、のんびりしている。昼から外でビールって最高やん!と思っていたら雨が。

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カサに戻る途中でスコールの様に!

 

 

雨の間を抜けて、昼飯を買って戻ると、何と停電。暗い!

昼飯は地元民用のハンバーガー25CUP。肉を焼いてその場で作ってくれるので、マックのより全然うまい。

 

一っ風呂浴びてこれをしたためていると、カサの従業員の娘が襲来。5歳くらいか。興味津々にキーボードを弄ってくる。おいー!それ消えるヤツだからっ!!

しかしこの子パンツだけしか履いてないが、色々それでいいんだろうか……。

 

Cさんが帰って来て話していると、台湾人の女の子がジュース片手にやって来た。

「あげるからコップ持って来て!早く早く!」

超マイペース。その後も「暑いから」と、雨が当たる窓辺でスペイン語の勉強を始める。濡れているんだが、いいんだろうか……。

 

バラデロに旅立ったKさんとYちゃんが帰って来て、リゾート自慢を聞く。

Cさん、Kさんの男子組で、地元の食堂へ。

 

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人民ペソで食べられるごはん。ビフテックだからステーキですね。豆のご飯は赤飯みたいに色がうつるが、味はもう少し攻めた塩味。キューバ飯はマズい、と言われていたが、ここのはうまい。これで30CUPだから、ビールより安い。

 

宿に戻る途中に買ったのはなぜかオランダの輸入ビールだった。炭酸が強く、日本寄りでいい。

 

次の日、ヨハンナの家という、実質韓国人宿になったカサに行き、情報ノートを見せてもらう。結局見せてもらう私。

Cさんにくっついて、次の街へ移動すべく、行動を開始した。

 

カリブの海が、我を呼ぶ!

第二百四十九話 C 32歳の革命 / Granma~キューバに上陸せよ~

出立26日目(通算276日目)メキシコ24日目 カンクン3日目~キューバ 1日目 ハバナ1日目

 

 

お久しぶりです!

既に一月ほど前ですが、とりあえずメキシコ出国~振り返ろう。

空港バスでやって来た私だったが、次の国・キューバへの入国もなかなかハードだ。

まず、ツーリストカードというものを入手する必要がある。これは日本ならキューバ大使館とかで取得すればいいのだが、メキシコならメキシコシティカンクンの空港での入手となる。

これが何か、と言うと、ものすごくざっくり言うとパスポートの出入国ページの代わりである。対アメリカさんで、旅行者が今後不利益を被らないように等々を考慮して、出入国スタンプをこれに押す形をとっている。これが2017年には現地なら25USDらしい。

実はもたついて出発まで2時間を切って到着した私、カウンターを探していると、制服を着て身分証を下げた謎のおっさんが声を掛けてきた。

ハバナに行くのか、ツーリストカードを持っているか、と質問。彼の手にはツーリストカードが。

※本来のカードはチェックインカウンターの背後高向かいにある、という説も耳にするが、よく知りません。すんません。

一応身元もはっきりしてそうだし、と彼についていくと、並ぶ客を差し置いてカウンターに入り、パスポートをチェックしてカードにスラスラと書き込んでいく。

えぇ、いいの?!

更にチケットや荷物の手配まですべてやり切り、最後に600ペソを要求してきた。

いやいやいや、今朝のレートでも25USDって445ペソくらいだぞ、ということで抗議すると、500に値下げ。値下げ出来んの!?

……まぁいいや。この人何者だったのか最後まで謎だったけど。

 

ただ、すごい聞かれたのが帰りのチケットの有無だ。

キューバのネット状況に恐れをなしていた私は、宿で一応取っていた。印刷はできなかったが、帰りの日付などをきちんと伝えたので事なきを得たっぽい。

ケツは決めたくなかったが仕方ないと思っていたが、どうやら助かった様だ。

 

ちなみに今回はインタージェット使いましたが、他の航空会社もツーリストカードを用意してはいるらしい。無くなることもあるらしいからアレだけど、謎のおっさんは貴方の元にも現われるかもしれない。

 

って飛行機1時間以上遅れてるやないかーい!!

 

時間まで待っていると、搭乗時に日本人T君と会う。ビビッて11時に来たというから、4時間ほど待ったことになる。うわぁ、何とも言えない……。

 

フライトは快適で、窓際だったこともあり、ビールとスナックでちょっとした「カリブ・フライト」という何やら豪華そうな雰囲気を楽しむ。

 

空港では荷物のレーンは間違えたものの、なにもなく通過。話によると保険に入っていないとダメ(しかもアメリカ系は×。期間的にアメリカ系しか入れそうになかった)とか、いろいろ厳しそうな話を聞いていたが、そこは問題なかった。

両替も空港と市内でそんなに変わらないと聞いており、そこも問題ない。

次です。

実は空港から市内は直線距離でも15kmとか離れており、そこまでは「基本的には」空港バスかタクシーを利用することになる。が、誰が見つけたのか、地元のバス「P12」を使うと、通常3,000円だか掛かる距離を、僅か1cup=5円くらいで行けちゃうのだ!おい、全然違う!

 

まぁ、その行き方は他のブログを参考にしていただくとして、問題はそこじゃない!

今紹介した「CUP」は、キューバ国民用の通貨単位、通称人民ペソである。

ところが、ATMなり両替なりでもらえるのは「CUC」。外国人用の通称兌換ペソなのだ。

価格差は1兌換ペソ=25人民ペソとなる。

つまり、バスに乗るためには人民ペソに変える必要があるが、空港の両替ではやってくれない!取り扱ってるのに!

一部情報によると出発カウンターであれば換えられる、と言うが、空港の人間はだれ一人教えてくれない&忘れていて確かめていない。

今回は両替時の端数で6CUPくらいの額が出たので私は事なきを得たが、ATMで降ろした&メキシコペソを持っていないT君は確保できなかった。

まぁ最悪、空港で買い物して崩すのがいいかな。ともかく、バスの乗り場がどうとかより、ここの方が大事なので言いました。

 

そんな訳でターミナル間の移動用の人民ペソもなかったため、市内へのバス停まで歩く羽目に。

飛行機の遅れもあって予定よりも2時間は遅い。もうすぐ日が沈む!というときに何とかバス停へ。日が沈んで果たしてバスが来るのか?もう宿につけば何でもいい!という気分の頃にバスへ。

これが市民用だからとにかく混む。そしてアジア人なんて珍しいのか、というかツーリストで乗ってるの我々だけだからか、ものすごく目立つ。メキシコ人に比べるとよそよそしい印象のキューバ人。スペイン系が多いと聞いたが、黒人も多く、慣れていないと怖い。ムキムキの奴ばっかだし。

しかし笑顔で接していればこれ以上にないハイパームテキ状態になれることは、旅人の誰もが知っている。終点が旧市街の近くなので、今日の宿の近くになる。

私は知らなかったが、キューバの宿もネット予約できる。ネットの普及はまだまだなのにできる。まぁ、携帯はあるしな。T君はそこへ向かうが、彼の携帯がGPSを拾わない。ああ、サ○スンさんか。

ということで私と別れるところで念入りにチェックし、去っていった。大丈夫だったかな。

私は日本人も多く泊まるという噂のカサ(民宿)しまおらに。日本語と韓国語でも表記がある。この時点で22時くらいでヘトヘト。あ、キューバは治安いいみたいです。

 

部屋に行くと日本人の男性Kさんが。数日前に入られたとか。周辺の情報を得る。いや、それよりなにより部屋にエアコンがあるのが最高!カンクンではなかったし。

カサは一般のホテルよりも安く、しまおらは1泊10CUC=約10ドルだ。これで朝食もつくんだから言うことなし!

コントローラー見当たらなくて、夜中ちょっと寒かったよ……。

 

ということで、一応移動編なので一回分けますね。

 

戦士の魂が、我を呼ぶ!

第二百四十八話 M・オブ・デス / カリブの夢たち

出立25日目(通算275日目)メキシコ23日目 カンクン2日目(トゥルム)

 

 

蒸し暑くて寝苦しいが、一人一台扇風機があり、かつバス旅の疲れもあったので、ガッツリ寝て起きれた。さて、次の国の情報も集めたいが、まずは観光だ。

 

本日はバスに揺られて2時間半の遺跡トゥルムへ。昨日は2等バスしかなかったが、今回に限っては1等だと遺跡ではなく、街に止まるという噂もあり、それなら2等だな、と乗り込んだわけですが。おーい、今ゲート通過したぞー。

 

で、街に停車。おいっ!話が違う!

落ち着け、確かコレクティーボとかいうバンが発着してるはずだ。それに乗ればいい。

駅を出て、まぁ目的地の方に歩けば何とかなるだろうと思っていたが、これがいけなかった。

 

冷静に考えればそうだが、「あー、アレがコレクティーボかぁ」と認識した際にはもう走り去っていく後姿しか見れない!乗れへん!

まぁ、でもね、4kmもない道のりだから、と。幸い海も近いので、日差しは暑いが風は優しい。ちょっと汗をかく程度で到着。

そしてまた!チケットを求める長蛇の列!こっちのがしんどかった!

 

どうやらカンクンは欧米からストレートにINできるらしく、チケットはともかくとして物価が高いうえにUSD表記も並んでいる。故に欧米人も多い。おそらくチチェン・イツァーも同様の理由で混んでいるのだろう。

 

小一時間後に入手した時には体力が大分持っていかれていた。ええい、とにかく前進だ!

 

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トゥルムの遺跡はジャングルで発展したマヤ文明が最後に辿り着いた海沿いの地であり、スペイン人が最初に目にしたマヤの都市でもある。小さいながらも三方を海に囲まれた城塞都市であり、13~5世紀のマヤ文明末期のレリーフも見られる、お得な施設だ。

 

師が白く見えるのは海沿いの地域だからだろうか。リリーフが中央に見えるが、これも特徴的。

 

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「El Castillo」は最も高い建造物で、階段上の神殿入り口の柱には。蛇のモチーフがあり、トルテカ文明の影響がみられるとか。

マヤの神殿の常通り、中には古い神殿があり、その上から新しいものを築いている。

 

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「Templo del Dios Descendente」

『降臨する神の神殿』は、中央あたりによく見ると逆立ちした感じのモチーフが見えるところから。雨の神チャックだ、とかマヤ人のハチに対する畏怖の表れだとか、諸説あるらしい。

少し色が残っているように見えた。

 

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「Templo de Las Pinturas」

15世紀に3段階に分けて建てられた神殿で、壁面にはマヤ文明の世界観を象徴した装飾が施されているとか。

 

しかしすごい暑さで、もう限界である。

この遺跡のもう一つ素晴らしいところ。それは、ビーチに直結しているところである!

 

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はい、来ましたよ、カリブ海が!!!パイレーツの世界遂に!

あーキレイ。これは海賊を目指しても仕方がないレベル。

 

ビーチはそこまで広くないが、白い砂浜から伸びる緑~青の海とスカイブルーの空につながるコントラストはえも言われるイメージ。

早速荷物をホッぽり出して泳ぐ!あー気持ちいい!かいていた汗も、上がった体温も、全てはこの時のためだったと言わんばかりの心地よさ!うーん、きれいな海はすべてが楽しい。

 

しかし、ですよ。野郎一人には限界がある。遺跡の中だからビールだって売ってないし、なんか水着ギャルにもときめかない。海の家も微妙な味のカレーもラーメンもない!くっそ!これで今日の海水浴は終わりじゃ、ボケっ!

 

そういえば、前回のブログに載せたイグアナが、遺跡内はおろかこのビーチにもおり、人を気にせず意気揚々と歩いていた。海イグアナ?

 

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遺跡の一部とパシャリ。海からも取ったりしたが、砂が混じった水があんまりきれいじゃなかったんで、そっちはやめときますね。

 

こうしてショートトリップは終了。我慢できずに買ったコーラは19ペソで、高いが、価値のある一本であった。というか、ここのとこ昼飯がコーラ。コーラの糖分で生きている私である。

 

帰りのバスを探していると、入り口付近にミニバンの運転手たちが。これで途中の街まで行き、乗り換えていけばカンクンの街まで行けるという。しかも安い。

乗ってきたバスのチケット売り場も見当たらないし、というかまた街まで行かないといけないかもなので、これでいいやと乗車。小型なのでいろんな人とくっつきながらだが、軽快に飛ばす。いいぞ!先日の2等バスにはイライラしたが、これは大きいのもガンガン追い抜いていく。気分がいいぜ!

「Playa del Carmen」での乗り継ぎもすぐ横に次のが止まっていたのでスムーズ。

40+40ペソでカンクンまで。

どこやねんと思っていたが、今朝ほど出発したADOの大通りを挟んだ向かい側のデパートの駐車場だった。知っていれば、これに乗ったのになぁ……

 

そうしてメキシコ最後の夜ということで、屋台のタコスを。

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チーズ入り17ペソ。カンクンは物価が高いが、具が多かったこともあり、まぁ、満足かな。ラストタコス。ついも一個頼んじゃったよ。

 

さて、明日からはキューバだが、なんとキューバさん、町の広場でチケットを買うとかしないとネットができないというこれまでのどの国よりもやりづらい国。当たり前だが、速度も遅く、つまりこのブログも更新できない!一番私が困る!!

 

ということで、おそらく出国してから再開となりますので、その時まで!

 

戦士の魂が、我を呼ぶ!!

 

第二百四十七話 M・オブ・デス / スターゲイザーと地を這う獣

出立24日目(通算274日目)メキシコ22日目 メリダ~チチェン・イツァー~カンクン1日目

 

 

強盗にビビりまくっていた私は策を講じた。

ダミーのバッグを用意し、手元に。本バッグは座席の下に隠してチェーン固定。黒いからぱっと見はわからないだろうという浅知恵である。

強盗は外国人の手荷物だけを盗っていくという。クソ、メキシコ人共は余裕だな!なるべく後ろの席を押さえ、いざ来たら屈もうとか、そういうことも考えていた。

「maps.me」を見ながら緊張の面持ちで経過を見守る。今回は予定もあってOCCを使ったので、一応1等バスだ。供えられた手例が面では「EYE in the SKY」が流れている。あー見たかったんだよねー。スペイン語の例のヒドイ吹き替えだけど、それでも何となく状況がわかるってことは、この監督スゲーなー。とか言ってるうちに、バスは直進せずに大きく迂回し、別の街へ。「これ本当にメリダ行くんだよね?」と不安になるくらいのオアハカ側への大きな迂回。

そういえば、他の人のブログだとサンクリメリダ間は12時間になってたな。

状況を鑑みて、このルートに変わったんだろうか。

映画はやりきれない終わり方だったが、こちらは事なきを得たっぽい感じで無事に通過。

乗り込んでくる警官の巡回や、隣の人間は犯人のグループなのかといった疑心暗鬼もなんてことはなく、というか警戒してたの私だけ?レベル。

そうなるとトイレ横の太り過ぎて座り切れてないおばさんはこの長距離大丈夫なんだろうかとか、余計なところに気が回り始める。

 

かくして無事にメリダに着いた私は、目の前の2等バス乗り場へ向かい、そこから古代遺跡「チチェン・イツァー」行のバスに乗り込む。91ペソ。

あ、ちなみに「サンクリメリダ 16時発 翌10時過ぎ着」、「メリダ~チチェン・イツァー 10時半発 13時半着」です。

それからチケット買うまで1時間近くかかった。。

っていうか暑い!なんだこれは!?実はここまでの都市、全て標高が高かったので、何なら朝晩は冷えていた。それがお前!

チケットも242ペソとものすごく高い。荷物も預けないと入れてくれないので預けたら100ペソでものすごい高い。コイツら、観光客だからって足元見やがって!

ちなみにサンクリで会ったK君はツアーできたらしいが、バス代等込みで考えると、絶対そっちの方がお得。お昼もガイドもつくんだもの。

 

時間の都合があるとか以外、このやり方はお勧めしかねるなぁ。さて、観光です!

 

チチェン・イツァーはマヤ文明の遺跡であり、200年以上に渡ってユカタン半島の芸術、宗教、経済の中心地だった。「泉のほとりのイツァー人」を意味し、その名の通りユカタン半島最大の「セノーテ」という聖なる泉の周りに築かれている。

 

この遺跡は10世紀前後で2つの群に分かれることになる。

 

取りあえず目立つ、10世紀以降の新しい遺跡群から見ていこう。

 

10世紀に入って再びこの地に戻ったマヤ人は、トルテカとの文化交流が見受けられる遺跡群を築いていた。

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はい、出ました!この遺跡のメインと言っても過言ではない、「El Castillo」。

スペイン語で城や城壁を意味する中心的な神殿。これ自体が巨大なカレンダーの役割を担っているというから驚きだ。細かい解説はなんか調べてくださいwwだが、マヤの農耕歴(ハアブ歴)と祭事歴(ツォルキン歴)を用いている。例えば、四方の階段に一番上の一段を足すと365になるとか、そんな感じ。

マヤの神殿は基本正面にしか階段を配置しないので、わざわざそう作っている、ということになる。

 

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この蛇、ククルカンは羽毛の蛇であり、春分の日秋分の日には階段の影が羽毛に見えるようになるとかいう、書いててもよくわからん仕組みになっているらしい。恐るべし、マヤ人。

 

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「Templo de los Guerreros」

通称:戦士の神殿といい、周りの石柱群には戦士の浮彫がある。

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これがトルテカ文明の遺跡に近い形式を持つことから、マヤとの交流が唱えられているとか。

よく見ると横たわる人物の石像が、頂上部分に見えるが、これがチャック・モールといい、生贄の心臓を捧げる装置である。内部にも神殿があるとか。

 

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なんかイグアナ?が這っている。実はコイツ、翌日も見かけることになるんだが、この辺によくいるんだろうな。

 

 

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「El Tzompantli」

頭蓋骨の城を意味し、その名の通り、生贄の骸骨をさらす場所だったとか。これもマヤの伝統とは異質のものらしい。

壁一面の髑髏はちょっとかわいい。アステカ文明の神様にも骸骨はいるし、お土産としてもめっちゃあるので、メキシカン的には怖いものではなくなってるんだろうな。あ、日本にも黄金バットとかいろいろいたな。

 

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「Templo de los Jaguares」

ジャガーの神殿。

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正面にはジャガーが、ジャガーか?ジャガーだな。ジャガーが置かれ、内部には10世紀のトルテカ侵入の際の戦闘記録らしきものが彫られているとか。

ジャガーはマヤ人にとって畏怖の対象・強さのシンボルつまり森の王者だったらしく、お土産にもそういう理由か、ジャガーモチーフが多い。

 

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「Juego de Pelota」

球戯場はモンテ・アルバンにもありましたが、こちらにはきちんと輪があり&広い。

この輪に手を使わずに上腕や腰で打ったボールを入れる競技だとか。

勝ったチームのキャプテンが栄光の生贄に選ばれ、斬首される。

ええっ!?勝った方がっ!?

そりゃあ、負けた奴捧げられても神も微妙だろうが、両チームのキャプテンはどういう心境で競技に参加してたんだろうか……チームのメンバーが得点を決める度に死が近づくわけだろ……気が気じゃない!!

 

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斬首されて流れた血が7条の蛇としてほとばしる様が基壇部分には描かれているというが、多分これだな。その先から植物が芽を出しているというから、やはり恵みのためにやる神事だったんですな。相撲と一緒。

 

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「Cenote Sagrado」

は遺跡の名の由来ともいえる聖なる泉。ちょっと見づらいかな。ユカタン半島最大規模であり、聖地として生贄や財宝が沈められたりした。財宝の中には中南米の文明のものもあり、当時の交易の広さが伺えるとか。

 

 

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そしてここからが旧シリーズ。つまりマヤ本来の文化でできたゾーン。

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全盛を極めた7世紀、王族が突如としてこの地を去ったことで、歴史の舞台から一度姿を消している。

 

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「El Caracol」は天文台で、トルテカ・マヤ時代に手が加えられている様だ。

今のプラネタリウムとかにも通じる丸いドームがカラコル(=カタツムリ)という名の由来。ここの窓が、これまたマヤ人の正確な天文学に基づいて開けられており、子午線、月没の最北端、春分秋分の日月没の最北端を見られるようになっているらしい。

 

話は変わるがあまりの暑さに途中でコーラを買った。めっちゃうまかったが、30ペソもするという大暴挙。マヤ人たちが空を見上げていたというのに、お前らは人の足元見やがるのか!まったく、現代人はどこも一緒だな。

 

 

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「Casa de las Monjos」は所々塗料が残り、ブクウ様式というトルテカ以前の技術で建てられている。

 

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ピラミッドも多数。写真を撮ってと言う夫婦が、お礼にと取ってくれたので、いつもの祈りのポーズを。

「それいいね!」と早速真似しだすのは、やはりノリの良さか。ちなみに旧時代の方はこの手前の復元されたヤツに見られる、鼻長い神みたいのが信仰されていたらしい。

 

こうしてやけくそで見終わると17時近く。バスチケットを取りに行くと、17:35発だった。

バス停にバスが次々来るが、反対方向とかで、気付けばチャイナレディーと二人。彼女はカンクンから来たらしく、「どれくらいかかった?」「んー5時間くらい」

5時間っ!?22時越えるんですけど!?

いやー、メールしといてよかった……。

151ペソの2等バスは相変わらず冷房効き過ぎの車内で、上着を貸す男前っぷりを見せつつ、何故か社内灯は消された暗闇の中で耐え抜いてバスターミナル着は22時を回ったころ。おおう……。

 

幸い宿はすぐ近く。日本人宿の「ロサス7」だ。

手早くチェックインしてシャワーを浴び、夕食というかこの日初の、昨日の昼から食ってねぇな。を買い出して食べる。

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カップ麺ですが、これまたおいしくない。

ただ日清は現地人に合わせて作っているというので、これでいいのだろうな。

 

さて、日本人宿にしたのは理由がある。次の国の情報集めだ。

何せ次の国は基本的にネットがない状況なのだから……。ということで、次回を終えたら2~3週間更新できないかも!ひえっ!でもその前に海行かないとね!

 

カリブの海が、我を呼ぶ!!